8回表楽天無死一塁、左越え2点本塁打を放つ辰己(撮影・足立雅史)
8回表楽天無死一塁、左越え2点本塁打を放つ辰己(撮影・足立雅史)

日刊スポーツ評論家の篠塚和典氏(61)がオープン戦ヤクルト-楽天戦をチェック。楽天のドラフト1位、辰己涼介外野手(22=立命大)が放った逆方向への1発を高く評価した。

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辰己の1発は本当に印象に残った。右打者なら高校、大学を出たばかりでもライト方向に本塁打を打てる選手はいる。だが左打者となると、新人でレフトのフェンスを越す選手はあまり記憶にない。あのゴジラ松井ですらホームランは引っ張ったものがほとんど。打球を逆方向へあれだけ飛ばせるのはミートがしっかりしていて、なおかつ打つ方向にヘッドを出していくスイングができている証拠。左翼方向へボールを押しこめるから打球が伸びる。

聞くところによるとキャンプ序盤は「打ちたい」「強く振りたい」という気持ちがはやり、体が開くスイングも多かったという。だが今日はインパクトは力強かったが、いわゆる「マン振り」ではなかった。イチローもよく言っているが、胸を投手の方に見せるのを遅らせ、自分の胸、体をバットのヘッドが追い越していくような感じで振ることが大事。そうすれば、そこまで自分の中で力感を持たなくても強い打球が打てる。だから落合さんや王さんは軽くコーンと打っただけでボールが飛んでいった。

構えた時に少しバットを動かしながら、動きの中で打ちにいけているのも長所だし、初球の見逃し方もグッとボールに向かっていく感じに見逃せていたのが良かった。今度は内角球に対しても肩を開かずにヘッドを効かせたバッティングができるか楽しみだ。インサイドもそこまで力感を持たずにクルッと回れれば、おのずと打率も残ってくる。(日刊スポーツ評論家)