メッセンジャーの引退会見の一夜明け、高橋遥が打ち込まれた。自身4連敗を喫し、3勝(9敗)止まりの状態が続いてる。

中西 高橋遥のボールは中盤に差し掛かって、高めに浮き、キレも欠いた。5回は塩見の2ランに続き、バレンティンにも2ランを左翼スタンドに運ばれた。打たれたのは内角低めのスライダー、コースは悪くない。それをあそこまで飛ばされるのは、直球に球威がないから、変化球も効きにくい状態だったといえる。

2年目を迎えたサウスポーの評判は上々だった。だれもが潜在能力を認めたが勝ちを重ねることができず、大きく負け越した。

中西 今年1軍で投げ出した高橋遥と、シーズン終盤の高橋遥では、球の勢いが続かなくなっている。それを技でカバーする段階にはきていない。結局は「投げるスタミナ」が不足しているという結論に行き着く。本来は1年目の1シーズンを体力作りにあてるべきだったが、上で投げさせた。コンビネーション、配球を覚える前に、あらためて走り込み、投げ込みから取り組むべきだろう。

主戦のメッセンジャーが消えて、先発ローテーションは「軸」を失う形だ。

中西 シーズンを通してローテーションを守り、イニングを稼ぎ、エース格と投げ合って2桁勝ってくれるのだから、ベンチにとってこれ以上有り難いことはない。素材としては藤浪だったはずだが…。これからエースを探すのか、育つのか、チーム強化のカギを握っている。【取材・構成=寺尾博和編集委員】