中日が浮上するには大きく分けて2つポイントがある。抑え投手と正捕手だ。そういう意味で、広島との練習試合では先発マスクをかぶった新人郡司に注目してみた。

雨に強風という悪コンディションで試合は荒れた。中盤までに12失点はルーキーだけにさすがにこたえたと思う。確かに課題はある。キャッチングにスローイング…。そして配球。先発山本に対するリードはていねい過ぎて、広島打線につかまった。

だが、私が注目したのは6回に登板した梅津に対して、強気に内角のボールを徹底して要求していたことだ。聞くと、2人は仙台育英の先輩、後輩で登板前に試合の流れを変えようと話し合っていたという。その意気やよし、だ。

慶大時代に3冠王も獲得したという打撃面にも魅力がある。中日が長期低迷している最大の理由は捕手を固定できないことにある。面構えもいい。雰囲気もある。新人なのだから、へこたれることなくこの大敗を教訓にすればいい。中日首脳陣は覚悟を決め、このルーキーに思い切ってかけてみるべきだ。(日刊スポーツ評論家)