評論家コラム

「4番一塁原口」阪神浮上へ大胆提言!/緒方孝市

阪神浮上へ「4番一塁・原口」だ! コラム「虎になれ!」の筆者・高原寿夫が、最下位にあえぐ阪神復活の秘策を日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(51)に直撃。広島初の3連覇をもたらした緒方氏は監督時代、「こわい打者」と警戒していた原口文仁捕手(28)の打撃を生かした「4番一塁」起用を推した。首位巨人が勝ちゲーム差は7まで拡大。過去逆転優勝がないデッドラインのゲーム差を超えた虎に、熱い提言だ。

室内練習場へ向かう阪神矢野監督(撮影・前田充)
室内練習場へ向かう阪神矢野監督(撮影・前田充)

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高原 阪神は4カードを終えて2勝10敗と最下位にあえいでいる。虎党もヤキモキしている状況だ。昨季まで広島の敵将として戦っていた立場からはどう見ている?

緒方氏 広島はまずまず問題のないスタートを切ったが確かに阪神は苦しい。昨季の得点力不足を打破するために外国人選手を2人獲得し、そこを中心に打ち勝っていこうという今季の構想だった。そこが現状は機能していない。

高原 そこでどうする…と話になる。外国人だけでなく多くの野手が調子がいいとはいえない。現状打破の策はあるのだろうか。

緒方氏 矢野監督もいろいろ考えているはずだ。自分なら例えば相手が左腕先発なら「4番ファースト原口」の手はある、と思う。原口はパンチ力はあるし、状況に応じた打撃もできる。何より勝負強い。広島のベンチから見ていてもこわい打者だった。

高原 原口はここまで3試合でスタメンマスクをかぶっている。打率1割8分2厘だが巨人戦では本塁打も放っていた。

緒方氏 自分は阪神の正捕手は梅野だろうと思っている。捕手はやはり守備面のウエートが大きいし、打撃に影響も出る。過去に原口は一塁を守っていたし、その方が打撃にはプラスだ。なにより不調の選手が多いのならベンチにいる選手から状態のいい者を使うしかない。現状は捕手2人になっているので誰か(捕手を)ファームから上げる必要はあるが。

高原 4番となると本塁打、長打が多く必要というイメージだが?

緒方氏 それが違う。4番打者に大事なのは何か。それは打点だ。打線の中心に座って前後をつなげて、自分は打点を稼ぐ。それが理想の4番打者だ。強かったときの阪神だってカネ(金本知憲氏=野球解説者)は完全にそういう打者だった。4番=本塁打=助っ人と、自分は思っていない。

高原 「4番原口」で得点力が上がる理由は他にもあるのだろうか?

緒方氏 ボーアは慣れてくれば打つと思う。しかし今は悪い流れを断つ必要がある。得点できない最大の理由は“打線”になっていない点だ。阪神も当然、やっているだろうがスコアラーのデータを基に先発投手の傾向、対策を研究する。その中で「あの球は引っ張れ」とか「あの球は見逃し三振でもいい」と具体的な指示を出す。それで打線がつながり、相手投手には「狙われている」というプレッシャーを与える。しかし外国人、しかも米国から来たばかりの選手が複数いたりすると、こういう指示を出すのが難しくなる。

高原 外国人選手が増えて大山、高山らの起用が減ってきた。たまに出てもなかなか結果が出せない。

緒方氏 準備のさせ方が大事だ。阪神首脳陣も分かっているだろうが「外国人がよくなかったら使うからしっかりつくっておけ」とか「この時期を利用して苦手部分を克服しよう」とか。先を見据えての話を徹底的にしておくことが重要になってくる。【構成=編集委員・高原寿夫】

▼原口の広島戦での通算打率3割3分7厘、28打点はいずれも対セ・リーグ球団最高。昨年も打率3割6分4厘(11打数4安打)と打ちまくり、8月4日には九里からシーズン唯一の本塁打を放っている。

<原口の劇的な活躍>

◆支配下登録即1軍 16年4月27日に育成から支配下登録され、同日の巨人戦で1軍昇格。復刻ユニホームの試合でユニホーム製作が間に合わず、山田コーチのものを借りて代打で初出場しプロ初安打を放った。

◆月間MVP 16年5月は24試合に出場して打率3割8分、5本塁打、17打点の活躍で月間MVP。育成経験の野手としては球界初の快挙となった。

◆球宴初出場 16年の球宴で、一時は捕手部門ファン投票1位に立つなど人気が急上昇。監督推薦で出場を果たした。

◆大腸がんから復帰 19年春に大腸がんにかかったことを公表。復帰した6月4日ロッテ戦で、代打で適時二塁打。敵地のファンからも大きな拍手を浴びた。

◆サヨナラでただいま 19年6月9日の日本ハム戦で、代打サヨナラ打。甲子園の大観衆に「みんな、ただいまー!!」と絶叫。矢野監督も思わず男泣きした。

◆球宴で2打席連続本塁打 19年の第<1>戦での代打本塁打に続き、<2>戦では先発し本塁打。球宴で2試合にまたがっての2打席連発は球団初だった。

小雨の中、室内練習場へ向かう阪神原口(中央)(撮影・前田充)
小雨の中、室内練習場へ向かう阪神原口(中央)(撮影・前田充)

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