ロッテは自分たちの強みを消してしまった。ここまでのソフトバンク戦では、四球は与えず、四球を奪い、そして守っていた。この原則が崩れた。

2回、判断を巡り微妙な場面があった。無死一、二塁で川瀬の犠打は投前に。中村稔が捕球した時には、捕手柿沼は一塁送球を指示していた。その後2死二、三塁から、周東の適時打で2点を先制される。この犠打処理では柿沼の判断がやや早かったと映った。二走中村晃のスタートはそこまで良くなく、三塁封殺の可能性はあった。

3回には中村稔と2番手東妻の3四球などで3点を追加され、さらに7回には2死から釜元が盗塁と中村奨の捕球ミスで三進し、グラシアルの適時打でダメ押しの7点目。この試合では8与四球と荒れた。

反対にソフトバンクが与えたのは3個。前日は0。ここ2試合は、これまでの与四球の多さが改善され、やっとロッテ戦に火がついたという印象だ。また、周東が先制打と、好守で前日のミスを取り戻したのも光った。プレーのミスはプレーでしか取り返せない。日にちが経過してからではなく、翌日にできるところに価値がある。首脳陣の心情としても救われただろう。先発東浜も序盤は制球が定まらず3失点しながら、大量得点に守られ、中盤以降はストライク先行へと修正し、粘り強く投げた。

ただし、これでソフトバンクのロッテへの苦手意識が消えたとは言えない。苦戦の原因は四球とミスがワンセットになっており、まだ与四球の減少、守備の安定ともに継続できるかが鍵になる。両チームにとって、3戦目は非常に大事な意味を持つ。(日刊スポーツ評論家)

ロッテ対ソフトバンク 厳しい表情で試合を見つめるロッテ井口監督(撮影・横山健太)
ロッテ対ソフトバンク 厳しい表情で試合を見つめるロッテ井口監督(撮影・横山健太)