巨人にとって重要な一戦だった。首位ヤクルトとは11ゲーム差あるが、2位DeNAとはこの試合に勝てば3ゲーム差に接近する状況だった。

ペナントは残り33試合でDeNA戦は9試合も残している。この先、つぶし合いをする相手に今カードで3連敗することだけは避けたかったはずだ。

だが細かいミスが目立った。2回、無死二塁から7番大城。カウント1-1からの外角低めツーシームを泳ぎながらバットに当てて遊ゴロに倒れた。次打者は8番重信で、9番は投手の戸郷だ。ならば、最悪でも二ゴロで走者を進め、重信につなげてほしかった。「引っ張ってやろう」という姿勢がなかったことが残念だった。

4回には1死満塁のチャンスで、重信が一ゴロに倒れた。初球、甘く入ったツーシームを振り遅れてファウルとし、絶好球を仕留められなかったことが響いた。対照的に、次打者の戸郷はファーストストライクを引っ張り、左前へ先制適時打とした。重信の準備が足りなかったと言わざるを得ない。

守備でもミスから失点につながった。2点リードの6回、無死一塁から楠本の三塁線への高い飛球をポランコと坂本がお見合いして安打としてしまい、そこから同点に追いつかれた。戸郷は5回まで1失点と好投していた。自身初の10勝を挙げ、大きなプレッシャーを乗り越えた自信も見てとれた。それだけに味方に足を引っ張られてリズムを崩したことが悔やまれる。

巨人は、坂本や菅野が帰ってきて戦力も整ってきた。逆襲するためには細かいプレーを大事にしてほしい。この日のようにミスで自滅しないために。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対巨人 8回裏途中、降板する巨人先発の戸郷(左)。右は桑田投手チーフコーチ(撮影・江口和貴)
DeNA対巨人 8回裏途中、降板する巨人先発の戸郷(左)。右は桑田投手チーフコーチ(撮影・江口和貴)
DeNA対巨人 6回裏DeNA無死一塁、楠本の打球を左翼手ポランコ(後方)と見合い、左前打を許した遊撃手坂本(撮影・江口和貴)
DeNA対巨人 6回裏DeNA無死一塁、楠本の打球を左翼手ポランコ(後方)と見合い、左前打を許した遊撃手坂本(撮影・江口和貴)
DeNA対巨人 6回裏DeNA無死一塁、楠本の打球を遊撃手坂本(手前)と見合い、左前打を許した左翼手ポランコ(撮影・江口和貴)
DeNA対巨人 6回裏DeNA無死一塁、楠本の打球を遊撃手坂本(手前)と見合い、左前打を許した左翼手ポランコ(撮影・江口和貴)
DeNA対巨人 ベンチで厳しい表情を見せる巨人原監督(右)(撮影・足立雅史)
DeNA対巨人 ベンチで厳しい表情を見せる巨人原監督(右)(撮影・足立雅史)