現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(54)が試合をチェック。
阪神が4カード連続勝ち越しを決めて首位を快走する好調要因に、3番に定着した森下翔太外野手(22)の存在を挙げました。【聞き手=松井清員】
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近本が4安打5出塁で、中野はノーヒットでも5四死球で5出塁。これだけ1、2番が塁に出ると、あとはクリーンアップに任せたという、理想的な攻撃ができる典型的な試合でした。特に初回、よーいドンで近本がヒットで出て盗塁も決め、大山がドカンと先制3ラン。前日快勝した勢いを持ち込む3得点で一気に主導権を握り、完全にDeNAのリズムを崩しました。
これまでは3番で切れることもありましたが、森下が状態を上げているので1~4番がしっかりした線になっています。森下は2度2軍落ちも経験しましたがプロの投手にも慣れ、ボールのとらえ方が良くなっています。もともとしっかり振れることが特長ですが、グリップの位置を上げたことで、ボールをつぶすように上からたたけている。初回に大山の1発につなげた左前打しかり、2点差に迫られた直後の7回に放った中前適時打も勝利を決定づける効果的な働きでした。
森下が3番に入ってから4カード連続勝ち越しです。この間は1、2番がよく出塁して3、4番でかえすパターンが目立ちます。現状、5番佐藤輝と6番ノイジーらはその日次第ですが、その5、6番が安定してくるともっと大量点を取れる試合が増えるでしょう。
チームとしても、この4カードは全部初戦を取れていることが大きい。初戦を取ると最悪の同一カード3連敗がなく、残り2試合は1勝1敗でも勝ち越し、連敗しても借金1なので、心理的にかなり楽に戦えます。森下が3番に定着する前の今季初戦は、14勝17敗と苦戦していました。一方で定着後の初戦は4勝0敗です。1~4の打線をしっかりした線にしている森下の働きは大きいといえます。
9月に涼しくなると質量とも他球団を上回る投手力がより力を発揮します。この先の長期ロードも初戦を取る意識を大事にしていけば貯金も増え、良い状態で秋を迎えられるはずです。(日刊スポーツ評論家)




