初先発した巨人西舘にはもちろん注目はしたが、もう1つの側面からも興味深く内容を見ていた。逆転優勝をするために、巨人は6人目の先発を探している。
金曜日を任せるスタッフを求め今月は赤星、又木にチャンスを与えた。先週は台風で中止。西舘にとっては、正念場の9月にしっかりローテーションに食い込むこと、チームとしては広島追走へ万全の態勢を敷くため、この日は重要な位置付けだった。
結論から言うと、シーズン途中での先発転向は厳しかった。勝ち試合の方程式の中、短いイニングを全力で投げてきた西舘に、2軍での調整期間は与えたものの、先発の役目はやはり荷が重かった。
初回から153キロをマークして、意欲的に飛ばすも、変化球の精度を欠く。決め球とカウント球が同じくらい甘い。幅広く球種を織り交ぜ、最低でも5回までは的を絞らせたくないところで、この日の出来は苦しかった。
初回だけで37球を投げさせられ、5回には真っすぐのアベレージは5キロも落ち、変化球も含めストライク、ボールがはっきりしていた。シーズン途中のルーキーにあまりむちゃは言えないが、これでは再び先発のチャンスが巡ってくるか、疑問符がつく。
中盤以降、岸田はカーブのサインを出した後、右打者の胸元にミットを構え「ここから曲げて来いよ」と言わんばかりのジェスチャーをしていた。本来はキャッチングするボールゾーンで構えるところ。受ける捕手としても相当苦労したと思う。
5回4失点で試合を作れなかった。2番手は赤星。西舘の出来を見て登板した赤星にも試練のマウンドだったが、肝心なところで岸田のバッテリーミスで足を引っ張られてしまった。
7回、ミットを上からかぶせるようなやや緩慢な動きでパスボール。赤星にとってはチャンスのマウンドで、暴投を含め1イニングに2度のバッテリーミスは不注意であり、集中力の欠如。防げるミスは防がないと、一番苦しくなるのは赤星だ。もっと、確実にブロッキングをしなければ、投手陣からも信頼されなくなる。
広島が3位阪神と対戦している中で、5位中日相手に初戦を落とした。それ以上に、6人目の男探しが不発に終わったことはもっと痛い。
今後の巨人は連戦が控える。金曜日はカードの初戦となり、来週は阪神戦が控える。当面は又木、赤星、西舘、さらには他の投手にもチャンスを与える可能性がある。なるべく早く、ローテーションを固めることが、巨人の喫緊の課題だ。(日刊スポーツ評論家)




