阪神の戦いぶりには、できるだけ緊張感を切らさないように心がけているのが伝わってくる。タイトルを争う選手もいるし、大山が2ケタの10号本塁打を放てば、ヘルナンデスからは来日1号が飛び出した。
リーグ優勝からCSまで約1カ月間のブランクがあるから、全体的に緩んでもおかしくなかった。この間の調整は非常に難しいだけに、それぞれが目標をもってプレーしているのは頼もしい。
シーズンを通して、もっとも調子の良さを感じさせるのは、森下の打撃内容だ。3回に22号2ラン、7回2死からしぶとく左前にはじき返し、続く大山の2ランを呼び込んだ。
プロ3年目の森下の成長は、インコースを攻められても、引っ張ってファウルに出来るようになったことだろう。今ではインサイドのボールに詰まるのを恐れていない。
相手ピッチャーとしては、森下のふところを突いても、この球をファウルにされてはたまらない。続けざま攻めていったのが甘く入るとガツンとやられかねないからだ。
それだけ森下は打ちとりにくい打者になっていると言える。3回に広島先発・高の2-1から、ややインコース寄りのストレートを左越え本塁打にしたのは完璧だった。
また先発大竹も、9勝目にこぎつけた。2点リードの6回、2番手湯浅が2死満塁になると、阪神ベンチが及川を投入したのは、大竹の2ケタ勝利を意識してのことだろう。
及川は、代打秋山を見逃し三振に仕留め、7回以降もリリーフ陣で逃げ切った。チームは緊張感を保ちながら戦っているから、このままうまく調整を続けたい。(日刊スポーツ評論家)




