日本代表の井端監督とは中日時代、一緒に日本一を経験した間柄で、「守備力で不安を持ちたくない」野球観は、すごく似ていた。
これから投手編成、オーダーなど調整していく中で、WBC本番ではどんな野球、戦いをしていくのか-。打線は大谷らメジャー組が合流し本格化するが、1番に起用した近藤は、メジャー組が合流してからも使われる可能性が高い。選球眼も良く、出塁率も高い。大谷の1番以外の打順を想定してのことだと思う。
打線でいえば、現状で状態がいい佐藤、森下らの日本組とメジャー組の状態の見極めがポイントになるが、井端監督が目指す野球のベースはディフェンスにある。バッテリーを中心とした守備力を固め、そこから攻撃のリズムをつくる。その象徴が7番遊撃で先発起用した源田壮亮だ。ゴールデングラブ賞7度を誇る守備力と機動力は確実に計算できる。
源田は3回表、1死一塁から山川の三遊間のヒット性のゴロをさばいて、遊-二-一の併殺をとった。伊藤が四球を出し、紙一重でピンチが広がる場面。ワンプレーで嫌な流れを変えた。この守備力が、1本のヒット、ホームランより大事な時がある。井端監督は自らの経験から、センターラインの守備力が、チーム全体の安定感、安心感につながることをわかっている。
相手、選手の状態を見ながら遊撃手は源田、小園の併用になるだろうが、ここ一番の負けられない試合では源田を起用するなど、守備を重視した布陣で戦うはずだ。
1次ラウンドを突破すれば、ドミニカ共和国、ベネズエラ、最後は米国との決勝も予想される。ドミニカ共和国には「大谷キラー」のサンチェス(フィリーズ)、アルカンタラ(マーリンズ)らメジャーの投手陣がそろう。米国代表は昨年のア・リーグ、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投手のスクバル(タイガース)、スキーンズ(パイレーツ)が投手陣の中心にいる。今回はライバル国の投手陣がいいので、守備、機動力を駆使する野球の方が、勝つ確率は高くなると思う。
前回のWBCで源田は右手小指を骨折しながらも強行出場し、優勝に貢献した。経験値も含め、大谷に負担をかけない、野手陣のリーダー的な役割にも期待している。(日刊スポーツ評論家)




