巨人戸郷は楽天の打者に対し、自信をもって投げていた。率直に言えば、甘いボールを仕留め切れない楽天打線の不調もある。ヒットゾーンに運ばれてもおかしくないボールがファウルになっていた。

しかし、その中で14奪三振をマークして、完封したことは戸郷にとり、この上ない収穫だろう。つまり、交流戦はもう終わる、その先にはペナント再開が控える。戸郷はその中でまさに大黒柱として戦っていかなければならない。

阪神、ヤクルトのような粘り強い打線に対しても、この日のように打者を見下ろして投げる、自信にあふれたピッチングが求められる。この日は右打者、左打者のいずれも外角低めがよく決まっており、このピッチングを今後も継続できるか、そこが鍵を握るのではないか。

いい内容ではあるが、決して気を抜かず、安心はするなと言いたい。本来、戸郷の地力からすれば、これくらいのピッチングは当然なのだから。この完封で手放しで喜んでいるようなら、この先の夏場での厳しい戦いは勝ち抜けない。しっかり自信を深め、そして気持ちを新たに、リーグ戦へ向けコンディションを整えてほしい。

打線も今は状態がいい。チャンスを与えられてきた若手が、少しずつ結果で応えるようになってきた。佐々木が3回無死三塁から、初球真っすぐを確実に仕留めたことは大きかった。恐らく真っすぐを狙っていたのだろう。それを一振りで決めたことが大きい。チームに勢いをつける、そういうバッティングだった。

捕手大城と、指名打者岸田という使い方も打線に厚みをもたらしている。私は捕手として打力が上向いてきたことを考えれば、今後も大城がマスクをかぶることもポイントではないかと感じる。

初回、進塁打で難なく先制し、3回は連打で瞬く間に追加点を挙げ、相手のミスに乗じてダメを押した。今はチームが投打でお互いを高め合う関係にある。この流れを大切にして、交流戦最後のカードも決して気を緩めることなく、リーグ戦再開を念頭に、戦ってほしい。(日刊スポーツ評論家)

楽天対巨人 完封勝利で3勝目の巨人戸郷翔征(右)は橋上秀樹監督代行らとハイタッチ(撮影・浅見桂子)
楽天対巨人 完封勝利で3勝目の巨人戸郷翔征(右)は橋上秀樹監督代行らとハイタッチ(撮影・浅見桂子)
楽天対巨人 完封勝利し安心した表情を見せる戸郷翔征(撮影・増田悦実)
楽天対巨人 完封勝利し安心した表情を見せる戸郷翔征(撮影・増田悦実)
楽天対巨人 完封勝利で3勝目を挙げた巨人戸郷翔征(右)は大城卓三と抱擁する(撮影・浅見桂子)
楽天対巨人 完封勝利で3勝目を挙げた巨人戸郷翔征(右)は大城卓三と抱擁する(撮影・浅見桂子)
楽天対巨人 完封勝利で3勝目の巨人戸郷翔征(右)は内海哲也投手コーチから頭をなでられ笑顔でハイタッチ(撮影・浅見桂子)
楽天対巨人 完封勝利で3勝目の巨人戸郷翔征(右)は内海哲也投手コーチから頭をなでられ笑顔でハイタッチ(撮影・浅見桂子)