阪神は攻守ともに勝負どころで「これだけは避けたい」というミスが発生してしまいました。まずは4回裏、先発の伊藤将投手がソフトバンク正木選手に同点ソロを許した場面です。大山選手のソロで先制した直後の4回裏。伊藤将投手からすれば、絶対にゼロで抑えたいイニングでした。そんな回の先頭打者に同点弾を浴びたのですから、痛恨と表現するしかありません。
被弾した球種はおそらくツーシームで、フルカウントからの9球目でした。この日の伊藤将投手は内角直球で押せていましたが、正木選手の打席では8球目まで6球連続でストレートを選択して、徐々にファウルのタイミングが合っていました。捕手の坂本選手からすれば、少しボールを動かすことで変化をつけたかったのでしょう。一方の伊藤将投手は先制直後の先頭打者に四球だけは避けたい。そんな思いが失投につながったのだと想像します。負傷明けの復帰登板でもあり、チームに勝ちをつけたいという思いが強すぎたのかもしれません。
攻撃面では前川選手の同点打が飛び出した直後の6回表1死一、三塁、代走の島田選手が二盗に失敗しました。スタートを切るのであれば絶対にセーフにならないといけないと、本人も分かっていたはずです。一方で、盗塁企図を求められている責任感も強くあったのでしょう。勝負をかけた勇気を否定するつもりはありませんが、やや思いきりに欠けるスタートにも映りました。絶対にセーフになれるタイミングでなければ、自重する勇気も必要だったかもしれません。
伊藤将投手、島田選手はともに経験豊富な選手です。「これだけは避けたい」という結果は理解していたはずです。それなのに手元や判断にズレが出て、悔しい結果につながってしまう。それは今のタイガースの重たい雰囲気も影響しているのだと思います。こんな時期は開き直りも重要です。チームが連敗していようが、流れが悪かろうが、自分には関係ない。それぐらい良い意味で空気を読まない選手の出現を待ちたいところです。(日刊スポーツ評論家)




