ソフトバンクは得意とする交流戦で今年も強かった。投手陣から見てみると、まずは「勝利の方程式」が確立して臨めたということが大きかった。4月中旬に杉山が負傷離脱。守護神不在中はブルペン運用に苦心したが、杉山復帰でオスナ、松本裕、杉山の方程式がしっかり再構築できたのは何よりだった。この安定感があったので、先発投手も5回まで投げれば、という戦いができた。木村光もいたし、ブルペン陣の厚さと安定感は先発陣の不安もカバーできていたのではないだろうか。昨年(12勝5敗1分け)を上回る14勝4敗の数字を残せた。これはリーグ戦が再開してもホークスの強みと言っていいだろう。

その一方で、やはり先発陣は課題が埋まっていないような気がした。7勝の大津と3年目左腕の前田悠が頑張ったが、エース格の上沢を欠き、18試合を8投手で回した。あと2枚はしっかりした先発投手が出てきてほしい。リーグ戦に戻れば、さらに厳しい戦いが続くわけで、優勝するためにはしっかりした先発投手が4人は必要。モイネロ不在の中、やはり上沢、徐、大関あたりに頑張ってもらいたい。13日のヤクルト戦(みずほペイペイドーム)で前田悠が自己最長の7回を投げたのは光明の1つと言える。

攻撃陣は阪神3連戦で10本塁打を放つなど交流戦26本塁打の破壊力を見せつけた。長打力もさることながら「二遊間の競争激化」が好循環を生ん。1番に座った正木、2年目の庄子が攻守にわたって大きく成長を見せて交流戦に入ったが、加えて野村勇がようやく調子を上げた。庄子と野村勇はどちらとも遊撃、二塁を守れる。どの打順に入れても対応できる。さらに走力もある。ホークス打線は長打力に目がいきがちだが「走塁」の意識の高さも目立った。10日の阪神戦では7回に近藤の2ランで3点差にし、さらに4番栗原が死球で出塁すると柳田の左前打で果敢に三塁進塁。1死一、三塁から広瀬隆の右犠飛で1点を追加。一塁走者の柳田も二塁へタッチアップするスキのなさをみせた。柳町も復調してきたし、球宴前までの前半戦の正念場も、いい形で攻撃布陣が組めるのではないだろうか。(日刊スポーツ評論家)

ソフトバンク対ヤクルト ソフトバンク先発の前田悠伍(2026年6月13日撮影)
ソフトバンク対ヤクルト ソフトバンク先発の前田悠伍(2026年6月13日撮影)