野球ファンにとって月曜は特別な日。先週を振り返って、今週に思いをはせる。識者に回顧と展望を聞いた。パ・リーグ編は平石洋介氏(46=日刊スポーツ評論家)。開幕から負けなし9連勝としたソフトバンク前田悠伍投手(20)の良さは何なのか、考察する。
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ソフトバンク前田悠が2日の楽天戦で開幕から負けなしの9勝目を挙げた。この日は失投もあり6回7安打5失点と打ち込まれたが、打線の援護を受けた。1人で貯金9を稼いでいるのだから、チームにとって非常に大きい。
高卒3年目でブレークした前田悠という投手の良さは何なのか、考えたい。一つ言えるのは、数字では評価できないということ。直球の平均球速が140キロ台前半にとどまるように、ボール自体の数値だけなら上回る投手はたくさんいる。データ全盛の時代に珍しいタイプと言っていい。
では、何が優れているのか。2日の試合は私も球場で見たが、これまでと比べると状態は良くなかった。にもかかわらず、走者がいない場面では打者がわずかに差し込まれていた。投球フォーム的に球の出どころが見にくいわけではない。むしろ、くせのないきれいなフォーム。対戦経験のある打者に「前田悠は何がいいのか」と尋ねても、明確な答えは返ってこない。だが、そのことが前田悠の特長を示していると思う。
ネット裏から見て改めて感じたのは、テンポとリズムの良さだ。走者がいなければぽんぽんと投げこんでくる。走者を抱えセットから投げる際は、ボールを長く持ったり、逆に早く投げたり、タイミングをずらす工夫がうかがえた。打者がよく見えているのだろう。野球は間のスポーツであることを理解している。“野球IQ”が高い投手だと感じた。
ソフトバンクは今週、日本ハム、西武との6連戦。前田悠は後半の西武戦だろう。2カードとも勝ち越して優勝へ一気に近づくか。日本ハム、西武は何が何でも勝ち越したい。仮にソフトバンクが大きく連敗すれば混戦となる。目が離せない1週間だ。(日刊スポーツ評論家)




