巨人を3連勝で突き放し、ヤクルトにも普通に勝ち越した阪神の話題は「Xデーはいつ?」と「佐藤は三冠王をとることができるの?」という2点に絞られるようになった。
佐藤が3回にヤクルト増居のスライダーを捉えた33号の右越え本塁打は完璧だった。5回に松本健のカットボールを打った34号2ランは、やや詰まった左越え本塁打だった。
ヤクルト3連戦で放った4本塁打は、右方向に1本、左方向に打ったのが3本だ。しかし逆方向にスタンドインしたからといってなにも「追っつけて」打っているわけではない。
今の佐藤のバッティングは“球なり”に打っている結果といえる。つまり球速、コース、球種などによって散らばったポイントに対し、自然とバットが出ているようだ。
日本一になった23年シーズンに近くから見ていた佐藤と比較しても、野球に対する意識が一段と高くなった。それはWBC大会に出場した経験が大きかったのではないだろうか。
超一流の大谷(ドジャース)とプレーしたことによって、自身の現在地を確認し、今後の目標をさらに高めることができた。それがゲームに集中し、堂々としたプレーにつながっているのだろう。
プロ入り当時を知っているだけに、6年目の佐藤の成長には、技術に加えて心身とも中身が伴っているように思う。まさに「三冠王」にふさわしい打者にのし上がった。
(日刊スポーツ評論家)




