増やした5グラムは直球に力負けしない工夫だった。阪神北條は、来季のバットを5グラム増量する。相棒は自身最重量となる910グラム。「(増量しても)まだ振れるなと思って。形自体に変化はないので、大丈夫だと思う」と自信をのぞかせた。

 昨夏鳥谷から遊撃を奪い、今季は飛躍が期待されたが大不振。だが秋季練習や秋季キャンプで振り込み、着実に力をつけている。メーカー担当者は「金本監督の現役時代は905グラムでした。(重くできるのは)着実にスイングスピードを上げているから。重さを上げていく選手はあまりいない」と成長ぶりを語った。

 バットが重くなればなるほど、飛距離が伸びる。ただ北條は長打ではなく、鋭いスイングにこだわった。「遠くに飛ばすため(の増量)じゃなくて、ボールに負けないようにするため。1軍の試合に1年間出続けられるようにしたい」。ライバル大和はFAでDeNA入りしたが、遊撃は糸原、西岡、大山、植田らがひしめく激戦区。リベンジを期す背番号2が、ニューバットでアピールする姿が楽しみだ。【阪神担当=真柴健】