第1シード聖光学院が10-0の6回コールドで帝京安積を投打で圧倒し、ベスト8へ駒を進めた。打線は12安打で10得点を奪い、投手陣も先発の松本叶我、池田翔馬、星湊太(いずれも3年)の3投手で無安打リレー。夏5連覇へ盤石の投手陣が整った。
“5番目の男”が持ち味を発揮した。5回、4回無安打に抑えた先発松本からバトンを受け、池田がマウンドに上がった。先頭打者に死球を与えるも「自分の自信のあるインコースを意識して投げた」。公式戦初登板らしからぬ強気の投球で次の打者を遊ゴロ併殺に打ち取ると、最後の打者は三振で締めた。
指揮官の言葉が池田を変えた。「マウンドで自分の都合が悪くなると、ピッチングが弱くなる」。斎藤智也監督(63)から叱責(しっせき)を受ける日々に「何かを変えないといけないと思った」。5月の横手投げ転向が、大きな転機となった。最速138キロの速球にスライダー、チェンジアップを内角に投げ込むスタイルで信頼を勝ち取り、夏のベンチ入りをつかんだ。
エースの紺野耀大投手(3年)をはじめ、ベンチ入りメンバーで右上手投げの投手は4人。横手投げの池田は強力なスパイスとなる。斎藤監督は「タイプの違う投手が夏にいる。これは大きい」と、初登板の新星に早くも期待を寄せる。「絶対に戦力になる、という気持ちは大きいです」。遅咲き池田の、最初で最後の夏が始まった。【田口元義】

