広島の高卒2年目トリオが初の春季キャンプ1軍スタートをつかんだ。16年ドラフト2位の高橋昂、4位の坂倉、5位のアドゥワ。特に打てる捕手として坂倉に期待の声が集まった。高ヘッドコーチは「バッティングに迫力があるし、かなり力強い」と評価。18日に視察した大野練習場で打撃に目を奪われたようだ。

 植田バッテリーコーチからは「上に残れば、投手との相性や流れも見て、先発で使ってみたい」との構想を聞き、少し驚いた。捕手は主に1軍3人制を敷いており、第3の男なら出番が限定される。ベンチで坂倉を温めさせるくらいなら、いっそスタメンで…との考え。そう思わせる素材ということなのだろう。

 坂倉は昨年、高卒1年目捕手として65年衣笠祥雄以来の安打、打点を記録。ファーム日本選手権では決勝3ランを放った男は、リード面も熱心に研究中だ。先日は「投手にモノ言うからには自分も勉強しなくちゃいけない。試合の予習、復習。(学校の)勉強ではしてこなかったことを野球でしている」と明かした。

 昨年ドラフト1位で中村奨が入団。そして1学年上に、この坂倉がいる。もちろん昨年、一昨年ベストナインの会沢と石原が健在。激化するカープ捕手陣の競争にも注目していきたい。【広島担当 大池和幸】