ソフトバンク戦に先発した巨人高橋優貴は4回を投げ4安打3失点に終わった(2019年3月13日撮影)
ソフトバンク戦に先発した巨人高橋優貴は4回を投げ4安打3失点に終わった(2019年3月13日撮影)

日々勉強だ。巨人ドラフト1位の高橋優貴投手(22=八戸学院大)が13日、ソフトバンク戦で実戦4試合目、オープン戦では初登板初先発のマウンドに挑んだ。結果は4回を4安打2四球3失点(自責1)。75球の力投も、開幕ローテ入りへ当確ランプをともすまでには、至らなかった。

初物ずくめの1日だった。福岡には人生初上陸。ヤフオクドームのグラウンドに立つや、目の前で行われていたソフトバンク柳田のフリー打撃に「やっぱりすごい…」と目を奪われた。練習直前には、マウンドへ小走りで足を運び、球場全体を見渡して風景を確認。落ち着いた表情で試合前練習を終え、準備を万全に試合へ臨んだ。

初回のマウンド上からは見たこともない景色が広がっていた。水曜のナイターゲームに集まった3万9050人の観衆が作り出す初体験の熱気。内川、松田、デスパイネ、上林…と、電光掲示板に名を連ねる百戦錬磨の強打者の名前に平常心を保てなかった。

立ち上がりから制球に苦しみ、先頭に四球。2死一塁からデスパイネ、グラシアル、内川に3者連続中前打を打たれ、2失点。「こういう広い、素晴らしい球場でやらせてもらうことも、なかなかなかったので、自分の中ではオールスターのような打線の中で、緊張もしたり、自分をコントロールできなかったと思います」。2月1日に22歳の誕生日を迎えた左腕は、現実にしっかりと目を向けた。

ただ、現状の力で太刀打ちできる部分も見えた。4回。内川に3ボールとしたが、スライダーでフルカウントまで立て直し、最後も足元へ鋭く曲がるスライダーで空振り三振。松田宣からもカウント2-2から、この日最速の146キロの高め速球で空振り三振を奪った。「どんどんいけ、ということを先輩方、コーチの方に言っていただいたので、そういったところでも少し気持ちが楽になった部分もありました」。宮本投手総合コーチやマスクをかぶった炭谷から言葉をかけられ、心を整えた。オープン戦の調整段階とはいえ、一流打者から奪った2三振は、確かな自信となった。

「いい部分、抑えられた部分もあると思いますけど、そういう部分も見つつ、初回の入り方という課題も見つかったので、もっともっと日々勉強して、成長できればと思います」。大跳びではなくとも、等身大の1歩を積み重ねる。【巨人担当 桑原幹久】

ソフトバンク戦に先発した巨人高橋優貴(中央)は原辰徳監督(右)からアドバイスを受ける(2019年3月13日撮影)
ソフトバンク戦に先発した巨人高橋優貴(中央)は原辰徳監督(右)からアドバイスを受ける(2019年3月13日撮影)