「開幕」という2文字が新型コロナウイルスという不気味な影に覆われて、先行きが見えない。プロ野球は3・20開幕を延期した。12日に行われる代表者会議で日程再編の方向性が見えるのだろうか。「難問」を抱え込んでしまった。
ソフトバンク王球団会長も複雑な心境だった。巨人戦(ペイペイドーム)を観戦。マスク姿で報道陣に対応した。「こればかりはどうしようもないから。ファンの人たちは(延期になった開幕を)待っていてくれるだろうけど、やる方も見る方も熱狂できるようにしたいよね」。オープン戦は全試合無観客となった。王会長の言葉にあった「熱狂」の言葉を静寂のスタンドとともに忘れていたことに気づかされた。「開幕が早く決まってほしいね。調整が難しいからね。とにかく、(感染拡大が)収まってほしいよね」。プロ野球人生60年を超える王球団会長でさえ、未経験の出来事。「コロナショック」に表情はさえない。
コロナ禍に複雑なのは「現場」ばかりではない。高校野球のセンバツ大会も不透明な中、球団スカウトも例年の動きに制約が出ているようだ。この日、ドームを訪れていた山崎スカウトは「こういう状況だし、(センバツ出場校の)訪問はできない」と話していた。恒例となっている全スカウトのセンバツ大会視察もなくなった。大学、社会人チームの視察にしても、不気味な病原体の存在があるだけに例年のように「自由」に動けるわけでもない。スカウト活動自体は「プロ野球興行」にそれほど大きな影響を与えないかもしれないが、苦心の日々が続くことは変わりない。
あらためて早期終息を願うばかりである。【ソフトバンク担当 佐竹英治】




