プロ野球番記者コラム

ひとつのことを極め抜けー阪神近本に鬼滅の刃の信念

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

CSファイナルステージで二盗成功を成功させる近本(2019年10月10日撮影)
CSファイナルステージで二盗成功を成功させる近本(2019年10月10日撮影)

「ひとつのことを極め抜け」。これは大人気マンガ「鬼滅の刃」のアニメ第17話のタイトルだ。自粛期間で家にいる時間が増え、思い立って同アニメを一気見した時、ふと阪神近本の言葉が頭をよぎった。

同17話では主人公・炭治郎の仲間・善逸が鬼を退治する。他の仲間が多彩な技を持つ中で1つの技しか繰り出せない善逸は窮地に追い詰められ、鍛錬をともにした師匠の言葉を思い出す。「ひとつできれば万々歳。ひとつのことしかできないなら、それを極み抜け。極限の極限まで磨け」「泣いてもいい。逃げてもいい。ただ、諦めるな。信じるんだ、地獄のような鍛錬に耐えた日々を」。最後は信じた唯一の技で、敵を倒した。

それは「こどもの日」企画のオンライン取材時だった。プロでは決して大きくない171センチの体で活躍する近本に、子どもたちへのメッセージを問うた。すると、まるでアニメのセリフのような、芯のある言葉が返ってきた。

「自分は今まで、できないことを考えるよりも自分のできることを伸ばそうと思ってやってきた。自分の得意なことや好きなことに全力を注いで、頑張ってもらいたい。誰かと比較することは、いいことじゃない。自分にとってプラスにならないので。自分に向き合ってできること、やれること、好きなことに取り組んで頑張ってほしい」

小柄な近本は持ち前の走力を極め、昨季はNPB史上2人目となる新人での盗塁王に輝いた。非凡な打撃もまた魅力だが、磨き上げた脚力で記録的タイトルをつかみ、言葉を体現してみせた。近本のメッセージは、野球に限らず、何かに取り組む全ての子どもたちに届けたい。完璧な人間なんていないこと、自分を信じること。そして、ひとつのことを極め抜くということを。【阪神担当 奥田隼人】

走塁練習を行う近本光司
走塁練習を行う近本光司

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