トレードの一報を聞いた時、長渕剛さんの歌声が耳によみがえってきた。阪神からオリックスへの移籍が先日発表された飯田の話だ。

1年ほど前だったか。鳴尾浜で雑談した際、ストレス発散法を教えてもらったことがある。自宅へ戻る愛車やお風呂の中で熱唱する。それが飯田流だという。「古い曲も好きですし、何でも歌いますよ」。中でも長渕剛さんの曲が1番だと笑っていた。

「野球でうまくいかなかった時なんかは、この歌がいいですね」。そう言って紹介してくれたのが、長渕剛さんの名曲「西新宿の親父の唄」だった。

「やるなら今しかないんだという内容の歌詞が、自分をすごく前向きにさせてくれるんですよ」

理由を聞き、あらためて曲を聴き直して、深く納得したことをよく覚えていた。トレードが発表された日、ふと、そんなやりとりを思い出した。

29歳。脂が乗ったタイミングでの新たな船出となる。もちろん、燃えに燃えていることだろう。

8月29日に行われた入団会見では「一生懸命、死ぬ気で投げて活躍できるように頑張ります」と気合十分の言葉を残している。

「西新宿の親父の唄」には何度も登場する、心に残るフレーズがある。

オリックスデビュー戦を見たら、また口ずさんでしまいそうだ。【遊軍=佐井陽介】