<ソフトバンク7-5日本ハム>◇2日◇ペイペイドーム

日本ハムを破り、マウンドでタッチを交わすソフトバンクナイン(撮影・今浪浩三)
日本ハムを破り、マウンドでタッチを交わすソフトバンクナイン(撮影・今浪浩三)

ソフトバンク松田宣が何度も右手でガッツポーズを作ってダイヤモンドを回る姿に、6年前を思い出した。14年10月2日。本拠地ヤフオクドーム(現ペイペイドーム)でのオリックスとの最終戦。負ければV逸もあった延長10回裏1死満塁から、松田宣がサヨナラ打を放った。「死闘」にケリをつけ、3年ぶりのリーグ優勝を決めた。ベンチから飛び出した秋山監督は、一、二塁間で両手を広げて松田宣と抱き合った。2人とも涙にくれた。

この瞬間から、ホークスは本当に強くなったと思う。ナイン、裏方さんまでが一塁ベンチ前で、秋山監督の涙のインタビューを聞いた。先発した大隣を監督はお立ち台に呼んだ。難病を克服し、先発マウンドで躍動した投球を振り返り、声を詰まらせた。異例の光景だった。ナインもほほ笑みながら、泣いていた。

最終決戦の最中、監督の元に連絡が入った。闘病を続けていた千晶夫人の容体が悪化。救急車で病院に緊急搬送された。だが、指揮官は黙して指揮を執った。いろんな思いが詰まった一戦だった。残念ながら夫人は3年ぶりの日本一を見届け、秋山監督が辞任した直後の冬にこの世を去った。

14年10月2日、サヨナラ打の松田宣(後方)は秋山監督と抱き合う
14年10月2日、サヨナラ打の松田宣(後方)は秋山監督と抱き合う

工藤監督が背番号「81」を引き継いだ15年からリーグV2度。日本一4度。今季は3年ぶりのリーグV奪回と4年連続日本一がかかる。コロナ禍の中、チームはVロードを前進する。厳しい戦いは続く。この日の1勝がフォローの風となってくれれば、と思う。【ソフトバンク担当 佐竹英治】