<エキシビションマッチ:広島8-2ソフトバンク>◇9日◇マツダスタジアム

台風9号の影響で空模様が心配されたが、マツダスタジアムは予定通りプレーボールとなった。ソフトバンクは後半戦開幕までエキシビションマッチも残り2試合。「総仕上げ」の広島遠征だが、初戦は大敗した。先発武田の制球が定まらない。3回80球も投げれば、先発の役目も苦しかろう。練習試合だけに勝敗は関係ないとしても、投打に「敗戦」となる負の要因を作っているわけだから、首脳陣も悠長に構えるわけにもいかない。

後半戦の「新戦力」として生き残りをかけてきたアルバレス、リチャード、中谷も快音はなかった。10日の最終戦で意地を見せつけるしかない。

敗戦の中、頼もしさを感じさせたのは選手会長の中村晃だった。2番左翼で先発出場。1打席目こそ左直に終わったが、4回には右前打、6回には変化球をうまく左翼線へ運ぶ技ありのヒットを放ちマルチ安打を記録。3日の巨人戦(ペイペイドーム)から4戦出場し10打数6安打、2打点。打率6割ときっちりと仕上げてきた。今季はシーズン開幕から不調が続いた。前半戦は全88試合に出場し、打率2割5分3厘。5月までは2割5分にも達しない打率に表情を曇らせていたが、五輪中断期間も黙々とバットを振り込み調整を続けた。6日に新型コロナウイルス感染対策の2度目のワクチン接種。39度近くまで発熱する副反応があったものの、平熱に戻るとバットを振り込んだ。「自分のためというより、チームのために」と言い続ける男に後半戦のけん引役になってもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】