最速142キロの明治神宮大会4強腕、白樺学園(北海道)エース片山楽生(らいく、2年)は、サイズアップしてプロにアピールする。「下半身を鍛えボールの切れを上げたい」と冬場は朝食450グラム、夕飯1キロの米を食べるノルマを設定し、筋力トレも徹底。秋から2月の宮崎遠征までに、9・7キロ増の81・7キロまで体重を増やした。同遠征中、西武スカウト陣が見守る中で登板した紅白戦は、打者6人に22球投げ3安打。満足な内容ではなかったが、大きくなった体とフォームの調整期間と捉えた。

読書家で、投手としての心理を磨くため、昨年は元巨人桑田真澄氏の著書を読み、現在は「配球について学びたい」と名捕手の野村克也、古田敦也両氏の著書を寮にそろえ、先人たちの“金言”に耳を傾ける。「父から、本を読むことは大事だと常に言われてきた。経験ある人の言葉は、必ずためになる」。センバツは幻となったが日々、心身の鍛錬を続け、夏につなげる。【永野高輔】