野球の国から

元広島・斉藤悠葵氏 NPB出身「ライバー」の強み

<最前線~動画と野球4>

ユーチューバーの次の存在として、動画配信者「ライバー」が台頭してきた。

動画配信者「ライバー」として活動する元広島斉藤悠葵氏(右)と、ライバーの支援を手掛ける株式会社Viibarの北沢哲也さん(撮影・湯本勝大)
動画配信者「ライバー」として活動する元広島斉藤悠葵氏(右)と、ライバーの支援を手掛ける株式会社Viibarの北沢哲也さん(撮影・湯本勝大)

元広島投手・斉藤悠葵氏(33)は、ライブコミュニケーションアプリ「Pococha」で、3月2日から配信活動を始めた。このアプリ内で、動画配信者は「ライバー」と呼ばれる。視聴者からのコメントを拾い、会話をしていくのが流れ。ほぼ毎日、1日平均3時間ほど配信をし、引退後もファンとの交流を続けている。

手掛けたのは株式会社viibarで、動画配信者のサポートをしている。3月2日からは、NPB出身者も動画配信を始めた。今では13人のNPB出身ライバーが活動している。

同社マネジャーの北沢哲也さん(36)は「野球ファンはとにかく選手が大好き。新しいエンターテインメントに、野球という要素を組み入れてみたかった」と説明した。動画を編集するユーチューバーと違って、リアルタイムの姿を見てもらうのがライバー。編集の手間がなく、スマホ1台で始められる手軽さがある。

斉藤氏の配信では、毎回40人ほどのファンが集まる。視聴者の中には草野球選手や球児もいる。「野球をやっていたことを強みにしたかった。自分が経験したことを視聴者に還元したい」と丁寧にコメントに答えていく。ボールの握り方、使用していたグラブ、現役時代のチームの雰囲気…。飾ることなく伝える。「変顔をしてください」とのリクエストに応じることも。激辛料理を食べる体当たりな企画もやる。編集した動画では映らない、素の人柄を知ることができるのが、ライバーの魅力だ。

北沢氏は「毎日コツコツやっていく人が伸びる。1つのことを頑張ってきた元アスリートは向いているかもしれない」と分析する。配信で視聴者と交流する姿は、球場でファンサービスに応えることにも似ている。新たなセカンドキャリアの道にもなり得る。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、思わぬ追い風も受けた。自宅にいる時間が長くなったため、アプリ自体が盛り上がってきた。斉藤氏もファン数を示すフォロワー数が激増。3月末で255人だったが、現在では1200人を超える。本人の努力と新しい生活様式の掛け算。新たな風を吹き込みつつある。

北沢氏は「もっと多くのアスリートに、培ってきたことを配信で還元してもらいたい。野球界に、今までと違ったアプローチができるのでは」と期待した。まだまだ始まったばかりの取り組み。各球団や現役選手へと広まっていけば、新たな一大メディアになる可能性も秘めている。(この項おわり)【湯本勝大】

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