高原のねごと

元阪神マートン氏「集中」ドラフトの日に新人へ金言

あの優良助っ人マートンからルーキーへの“金言”をもらったという話に少しだけお付き合い願いたいと思います。

ドラフト会議が行われた10月17日、私は大阪・東大阪にある近大に向かいました。ドラフト候補生が2人いたのです。そのうちの変則右腕・村西良太投手がオリックスに3位指名されました。

その近大に向かう電車の中のこと。知り合いからスマホにメールが送られてきました。内容は「これ、行くのですか?」。

「何かいな」と見ればマット・マートン氏(38=カブス競技運営部補佐)のイベントのことでした。

日本が大好きで特に災害などで傷ついた人々に少しでも喜んでほしいということで、15年限りでの現役引退後もマートン氏は毎年のように来日しています。

今回も実は台風19号の影響で当初の予定よりも日程がずれたりしたのですが今週に来日していたことは知っていました。

しかしなかなかタイミングが合わず、どうしようかな、と思っていたのです。ところがそのメールによると近大と目と鼻の先でチャリティー・サイン会をしているとか。

開催時間もタイミングばっちりではないですか。信心深いマートン流に言えば、これも「神のおぼしめし」か? そう思ってドラフト関係の取材後に会場を訪れたのです。

はたしてマートン氏は「ハーイ! ヒサシブリネ!」と出迎えてくれたのです。

なんだかんだとカタコトの英語と日本語で話していたのですが、なにしろドラフト当日。ここは新人選手、特に阪神の新人へのアドバイスをもらおうと聞いてみたのです。

「マートンなら何を伝えたい?」

開口一番、帰ってきたのはこういう言葉でした。

「stayfocused!」

カタカナで書けばステイ・フォーカスド。直訳すれば「集中しろ」「気を散らすな」ということでしょうか。

これは普通といえば普通のことです。でもマートンの言う意味は少しだけ違うように思ったのです。

マートン氏はこんな話もしました。「タイガースはビッグチームだからね」。少し想像を加えて説明すれば、なにしろ人気チームでファンやメディアからの注目が高い阪神。ドラフト1位はもちろん、2位以下でも大きく注目されます。

そういう状況に置かれれば若者だけに、つい浮かれて自分のやるべきことを見失ってしまう。そこに気をつけなければいけない。彼の言いたかったのはそういうことだと思います。

特に今回のドラフト、阪神は高校から直接5人もの選手を獲得する予定です。みんな一心不乱に、もちろん楽しく、プロ野球に取り組んでほしい。

阪神、虎党、そして日本プロ野球のために、マートン氏も新人たちにそう願っていると思います。

チャリティーイベントで旧知の高原編集委員に熱っぽく語るマートン氏
チャリティーイベントで旧知の高原編集委員に熱っぽく語るマートン氏

取材生活30年を超える古だぬき記者。吉本興業から宝塚歌劇団、あるいはヤバい人たちの取材から始まり、プロ野球ではイチロー日本一(96年)星野阪神V(03年)緒方広島連覇(17年)などの瞬間に立ち会った。日刊スポーツ大阪本社編集委員。

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