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社会人でも輝く元大阪桐蔭V戦士、人育てる喜び知る

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元大阪桐蔭の奥村翔馬さん(撮影・磯綾乃)
元大阪桐蔭の奥村翔馬さん(撮影・磯綾乃)

大阪桐蔭が史上初めて、2度の春夏連覇を果たして幕を閉じた第100回の夏の甲子園。大阪桐蔭は準々決勝で計4本の本塁打を放ち、これまで最多だったPL学園の夏45本、春夏通算70本を抜いて甲子園トップに立った。この夏までに積み上げた夏48本、春夏合わせて71本のホームランは、歴代の選手たちがつないできた歴史でもある。

前回の記念大会の90回大会で大阪桐蔭が全国制覇した時の主軸打者、奥村翔馬さん(28)は、甲子園で3本のホームランを放った。決勝では先制の満塁本塁打。「実力があったわけではないけど、自信があった。どこよりも練習をやったという自信があった」と当時のチームを振り返る。実は前年秋の大阪府予選準々決勝で、チームはPL学園に0-9でコールド負けしていた。試合後に西谷浩一監督(48)から投げかけられた「お前らは史上最弱だ」の言葉を胸にナインは奮起。例年以上に練習の負荷をかけた冬を乗り越え、夏の頂点まで登りつめた。

奥村さんは卒業後、関大を経てNTT西日本へ入社。約4年間、野球部で活動した。引退後は、16年から訪問買い取りサービスなどを行う、株式会社BuySell Technologies(バイセルテクノロジーズ)に勤務している。

奥村さんの主な仕事は顧客の売りたいものを査定し買い取ること。査定に必要なルーペと風呂敷や電卓は商売道具だ。車で顧客のもとを訪れ信頼関係を築き、現在は奥村さんを指名するリピーターもいると言う。なぜ今の会社に? という質問に、奥村さんは「ガツガツした環境にいたかったんです。成果、行動を認めてもらえる」。年功序列ではなく、全て数字で結果が表れるシビアな環境。「スポーツと仕事が共通するところがあると思います。打つために努力したり、数字を出すために努力する」とあえて自ら厳しい場所を選んだ。150人以上いる査定員の中でまだトップに立ったことはないが、常に上位の成績を記録している。

「大阪桐蔭では技術うんぬんをたたき込まれるというより、自分の時間を与えられて自分で見いだしていくことが多かったです」。レギュラーだった選手はもちろん、大阪桐蔭では控えやベンチ外だった選手も大学や社会人野球で花開く選手も多い。自ら足りない部分を考え、自分自身を向上させていく気持ちと努力が次のステージにつながっているのかもしれない。

「最近は自分の数字よりも部下の数字が伸びるのがうれしいです。人を育てていけるところや、人が喜ぶところ、いい顔が見られたらうれしいです」と笑顔になった。野球とは異なるフィールドで、また輝く選手もいた。

【磯綾乃】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

貴金属の鑑定をする奥村翔馬さん(撮影・磯綾乃)
貴金属の鑑定をする奥村翔馬さん(撮影・磯綾乃)

 野球をこよなく愛する日刊スポーツの記者が、その醍醐味、勝負の厳しさ、時には心が和むようなエピソードなど、さまざまな話題を届けます。

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