野球手帳

東京ドームで2勝、佛教大のタイソンは本家超えた?

都内で行われている全日本大学選手権を初めて取材している。普段はなかなか取材できない大学や選手を見られる貴重な機会。少ない情報を片手にグラウンドに目をこらす毎日だ。

愛知工大対佛教大 5回裏佛教大1死、石井は左越えに本塁打を放つ(撮影・柴田隆二)
愛知工大対佛教大 5回裏佛教大1死、石井は左越えに本塁打を放つ(撮影・柴田隆二)

記者の担当である近畿勢では、佛教大が28年ぶりの8強を決めた。2回戦の愛知工大戦で、4番の石井太尊内野手(4年=玉野光南)がソロ本塁打を放った。名前の読み方は「たいそん」。当然、試合後の取材エリアでは彼についた。「名前のことは何度も聞かれていると思うけど…」と聞いてみるとニッコリ。タイソンとは裏腹に、表情の優しいイケメンだった。

名付け親の父浩伸さんは大の格闘技ファン。しかし、息子に格闘技を強いることは一切なかった。幼少時から柔道、小2から野球を始めた。約1年間両立していたが、食事しながら寝てしまうほど疲れが見えたため「好きな方を選びなさい」と言われ、石井は野球を選んだ。柔道も同じくらい好きだったという。

今でもテレビの前で格闘技番組にかじりつく父と違い、石井は「全然見ません」と苦笑い。ただ、浩伸さんは野球経験者でもあり、石井の一番の理解者だ。週末のリーグ戦はほとんど全て観戦。香川の離島、直島に住む両親は、姉とともに初戦に続いて東京ドームに観戦に来てくれた。初戦の夜には食事もとり「次もあるから頑張れよ」と激励され、パワーに変えた。

今では名前に感謝している。離島は幼なじみばかりで小学校時代は普通に過ごしたが、中学のクラブチームに入ると、すぐ名前をいじられた。「みんなが名前を覚えてくれるので、この名前でよかったと思っています」と笑った。

今の目標は社会人野球で活躍すること。一足早く、社会人野球の聖地で活躍した。やはり、タイソンと言えば東京ドーム。今大会2試合とも東京ドームで勝った佛教大は、1勝1敗の本家タイソンを超えた?

【柏原誠】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

 野球をこよなく愛する日刊スポーツの記者が、その醍醐味、勝負の厳しさ、時には心が和むようなエピソードなど、さまざまな話題を届けます。

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