きょう16日が大事だ。阪神よ。ようやく今季2勝目か。菅野智之をとらえた佐藤輝明の逆転2ランはしびれた。指揮官・矢野燿大がマスクの下で久しぶりに笑顔を浮かべていたのを確認した虎党も多いだろう。
そして青柳晃洋。本来なら自身初の開幕投手だった男が期待通りの働きだ。久々に助っ人らしい仕事のロハスもよかった。勝てるときはこんなもの…という展開だ。昨季はこんな感じが多かったのになあ-というのはグチである。
とはいえ。当たり前だが何も安心はできない。得点は本塁打だけ。立ち上がりに苦しむ菅野を追い詰めていたし、先制できていれば、もっと楽な展開になっていただろう。糸原健斗は相変わらず不振だし、まだまだ「打線」になっていないと実感する攻撃だった。
そんな試合でキラリ光ったのは8番二塁でスタメンの小幡竜平だ。3回1死一塁。4回無死一、二塁。そして1点を勝ち越していた8回1死一塁の3度、すべて二ゴロからの「4-6-3」で併殺を完成させた。
もちろん勝負どころで内野ゴロに仕留めた青柳の投球があるからだが、キレのある動きでゴロを捕球、くるりと反転して二塁へ送球する小幡の動きはほれぼれする様子だった。
「守りなら小幡でしょう」。現役時代は遊撃を守り、03、05年のV戦士、現在は2軍コーチをつとめる田中秀太が九州担当スカウト時代にそう言って獲得した選手が小幡だ。高卒2年目の20年から1軍に顔を出し、守備力をアピール。この日は二塁を守ったがセンスをしっかり感じさせた。
そんな小幡と対照的だったのが巨人坂本勇人だろう。岡本和真の体調不良で4番遊撃でスタメン。1回に先制打を放ったものの6回に飛球を落とし、8回には大山悠輔のゴロをはじいてしまう。結果的にその失策の直後、ロハスの2ランが出て試合が決まった。
この日に限れば守り勝った気もする。虎党なら承知だろうが阪神の失策数はここまでリーグ最少の「6」。もちろん記録に残らないミスも多いし、失策の数だけではなんとも言えないがチームが負け続ける中、少しはホッとする数字だ。この日の小幡の動きはそれを確認させた意味もある。
さあ、次が大事だ。小幡だけでなく、リーグ・ワースト13失策の巨人に守備で勝って連勝しろ。そうすれば少しだけムードが変わるかも、だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




