宿敵・巨人との今季初対戦は完敗だ。そして、ここからが指揮官・岡田彰布の腕の見せどころだろう。
おっと思ったのは8回、3番手で浜地真澄をマウンドに送ったときだ。巨人・戸郷翔征に抑えられ、苦しんだ試合は8回に1点を返し、1-3。救援陣が強くないとされる相手だけにここを抑えれば可能性はある。そんな場面だった。
だが浜地は2被弾を含む4失点で途中降板。試合を決定づけてしまった。思い出したのは7日ヤクルト戦(甲子園)の敗戦後に岡田が発した言葉だ。その試合、浜地は8回に山田哲人に決勝2ランを被弾。岡田はずばり言った。
「決めにいくときの球が高いんよ。投げた瞬間に高い。ちょっとこれは考えなあかん。今のままじゃしんどいかもな。去年あれだけ頑張って開幕から使ってきたけどずっと悪い」。
4日広島戦(マツダスタジアム)でも失点していたこともあり、そう言い切った。
そこで出場選手登録抹消もあるかと思ったが結果は配置転換で「勝利の方程式」から外した様子。勝敗のはっきりした場面で起用するのかと思っていたがこの日、競った展開で投げさせた。結果的には「失敗」としか言いようがないが、この起用から感じるのは岡田はまだ選手を見極める段階と位置づけているということだ。
まだ序盤。昨季は頑張った選手を否定してしまうのもどうかという判断だったかもしれない。「立ち直るにはエエ点差(場面)いうたらおかしいけどな、そう思たけどな」。その部分、岡田はそう話していた。
同様のことを佐藤輝明についても考える。タイミングがあっていないし、長打どころか安打が出る感じもしない。戸郷に対しては佐藤輝だけでなく3番・ノイジーから7番・梅野隆太郎まで無安打で抑え込まれてしまったが、それにしても復調の気配が見えない。
「打てんかったら代えるよ」。岡田は9日ヤクルト戦後に話していたが実際はそんなに単純ではない。不調の選手を代えるのは簡単。だがそれで佐藤輝が復調できるのか、という問題はある。経験豊富な監督として勝利とともに佐藤輝を「猛虎の主砲」として育てる責務もあるのだ。
「もう少し辛抱? それは分からん。代えたくないとは言うてないよ」。敗戦後に発した岡田の言葉がそのあたりの深謀遠慮を示していると思う。さあ、巨人との第2戦はどう出る。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




