苦しい“大一番”を迎えてしまった気がする。広島相手にまた適時打が出ず0封負け。今季2度目の4連敗で、勝率5割に逆戻りだ。前半戦はあと1試合を残し、Bクラスも確定した。
甲子園で広島に弱い現象も起こっている。これで6連敗。ワーストタイだという。21日も広島の前に屈し、スイープを食らうようだと、球宴ブレークを挟み、26日からの後半戦は借金を背負って迎えることになる。たった1つだが、これが大きな意味を持つと思う。
思い出すのは仰木彬の口癖だ。指揮官・岡田彰布が現役生活を終えたときのオリックス監督でイチローを世に出した人物だ。岡田に指揮官として影響を与えたとされる仰木は担当記者にこういう話をした。
「5割や。5割。とにかくオールスターまでは5割でしのいでな。そこからやろ」。95、96年とパ・リーグ連覇をはたした頃もそんな話をよく聞いた。
5割なら1つ勝てば「貯金1」だ。連勝すればそれが「2」になる。当たり前だ。だがこれが大きい。借金1なら1つ勝って、やっと5割だ。そこで負ければ借金生活に陥ってしまう。プロ同士、連勝は簡単ではない。カードを2勝1敗で終えれば成功なのがこの世界。そこから考えれば、5割は何としてもキープしなければならない数字だ。
残り1試合なので「貯金1」か「借金1」のどちらかで終わる(引き分けなら5割だが)。チームの現状を考えれば、この1勝が簡単でない気がするのだ。
流れが悪いのである。投手陣が抑えても打線がつながらない。快音が出ても相手の好守に阻まれる。ようやくチャンスをつくっても併殺…。犠打を試みてもうまくいかない。その挙げ句、延長11回に連続失策が出て決勝点を献上してしまった。広島が1点を取ったこの回の攻撃は無安打。四球と失策によるものだ。
もちろん順位は後半戦次第だが、そこを迎えるために21日、今季90試合目は重要だと思う。球宴休みがあるのでブルペン陣も投入するだろうが問題は打線だ。誰かが突破口を開かないと本当に苦しい。
「そんなもん、惜しかったなんてないよ、プロには、おまえ。頑張りましたもないよ、高校野球違うんやから」。巨人戦から続く苦しい負けに岡田の表情も厳しいままだ。21日は満月。虎党はどんな思いでそれを見上げられるだろうか。正念場である。(敬称略)(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




