選手起用は采配同様、監督の“専権事項”だ。どういう場面で、どんな選手起用をするか。それは監督が決めること。いわゆる“外野”から、どうこう言っても仕方がない。

さらに言えば、チーム内にしか分からない事情、状況というものも必ず存在する。別にプロ野球に限らず、どんな組織、あるいは家庭においても同じことだろう。外側から見て「おや?」と思うことがあっても、それは内部の人にしか分からないのだ。

それは理解しているということを前提にして「どうもモヤモヤする敗戦やなあ…」という感じのする虎党も多いだろう。2点リードの9回、クローザーの位置づけにある岩崎優でなく、阪神ベンチは湯浅京己をマウンドに送った。

しかし、緊張、力みもあったのか。湯浅は1死を取った後、四死球で2走者を出す。さらに内野安打で満塁に。ここで岩崎が登板したが、傾きかけた流れを止められず同点打、サヨナラ打の2本を許し、阪神は交流戦初の連敗を喫した。

前日は2点リードの8回に登板した桐敷拓馬が逆転を許して敗戦。これで桐敷も含めて2日で湯浅、岩崎と3人のブルペン投手が傷を負った形になったといえる。敗戦直後、湯浅が岩崎に何ごとか声をかけている場面がモニターに映った。もちろん謝罪の意味だと思うが、今季初先発で好投していた伊藤将司を含め、3人の投手が寝苦しい夜を迎えたかもしれない。

どんな投手でも打たれるときは打たれる。それは避けられない。だから、こういう結果も起こり得るのだが異例の継投とも言える形だっただけにモヤモヤが残るのかもしれない。

「湯浅から、もちろん岩崎にとは考えていましたが、岩崎も登板が空いていたので、そういった意味で湯浅からなんですけど」。虎番記者の記事にもあるように指揮官・藤川球児はちゃんと説明した。5月30日の広島戦以来の登板、今季の交流戦では初登場となった岩崎の負担を軽くするプランだったが、うまく運ばなかったということだ。

さらに言えば、森下翔太のしぶとい先制打も佐藤輝明の18号も生きない結果である。ここまで、ほとんどすべてがうまくいっていたと言える阪神にとっては痛い連敗だ。とはいえ、まだ首位。焦る必要はないと思うし、ここはしっかり状況を見つめ直して再発進…というところではないか。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

西武対阪神 9回裏西武1死満塁、途中降板し厳しい表情の湯浅(撮影・宮地輝)
西武対阪神 9回裏西武1死満塁、途中降板し厳しい表情の湯浅(撮影・宮地輝)