2020年東京五輪で再会だ。第27回U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で準優勝に終わった高校日本代表が7日、大阪市内のホテルで解団式を行った。早実・清宮幸太郎内野手(1年)は、ともに世界一を目指して戦った先輩たちとの別れを惜しんだ。

 涙を浮かべていた清宮に、いつもの笑顔が戻った。解団式の最後に、兄弟のように一緒に過ごした関東第一・オコエ瑠偉(3年)と肩を組んで記念撮影。「(20年の東京)オリンピック、出ような」と声をかけられると「そうですね」と明るく答えた。

 苦悩や重圧と闘う日々だった。大会中は4番を任されながら不振に陥った。「自分は落ち込んじゃうほうなので、たくさんかけてもらった言葉が支えになった。私生活の細かいことから指摘していただいて、優しい先輩ばかりでした」と涙ぐみながら感謝した。世界一に向かって結束した仲間は、かけがえのない財産となった。

 もう1つ、宝物を手に入れた。決勝後の宿舎で、バットへの寄せ書きを頼んで回った。「先っちょに『ここでは打つな 日本の4番』とか、『ちゃんと走れよボケ』とか書いてもらいました。宝物です」。2年後のU18W杯カナダ大会と、5年後の五輪での再会を見据え、早実でも「木製バットで練習しようと思います」と意欲を示している。

 次の目標は来春のセンバツ。今日8日はオフの予定で、12日の秋季都大会初戦に備える。「4番の仕事ができなければ、強い相手には勝てないと学んだ。どうすれば打てるか考えて練習したい」。清宮が、「4番の自覚」を胸に新たなスタートを切る。【鹿野雄太】