第3シードの大船渡東が、創部10年目で初めて8強入りした。

 初回に2点の先制パンチを浴びせ、2回に1点を追加して主導権を握った。今大会は初戦の2回戦から3試合すべて先攻で、1回表に得点した。主将で1番打者の野々村和樹内野手(3年)は「自分たちは練習試合から初回の得点率が高い。狙い通り」と胸を張った。

 先制して相手に重圧をかける狙いで、練習試合もほぼ先攻を取る。真下徹監督(54)は「3回までにほとんど点を取る」と、選手の意識の高さを認める。エース右腕岩城大夢(ひろむ、3年)は「先制はありがたい。せっかく取ってくれたのだから、頑張れる」と投手陣も奮い立つ。春の県大会は甲子園常連校の花巻東を破って3位。6月の東北大会にも初出場した。

 真下監督は80年夏、福岡高で欠端光則(元横浜=現DeNA)とともに甲子園に出場した。今年3月まで岩手県高野連の理事長を務め、4月に大船渡東に赴任。すぐ新鋭校の監督に就任して“現場復帰”した。現チームは打撃力が高く、足の速い選手がそろい機動力も武器。「いいチームに転勤させてもらった」と笑った。

 準決勝進出をかけ、18日に第5シード宮古と対戦。真下監督は「ここから先は弱いチームはいない。総力戦でいきたいと思います」と、ベンチ入り20選手と一丸になって戦う。