来年3月限りで退任する北原光広監督(64)率いる神港学園が、今夏の甲子園に出場した神戸国際大付との接戦を制し、1回戦を突破した。

 4回に相手の失策もからんで3点を先制すると、最後までリードを守り抜いた。

 先発の亀谷侑汰投手(2年)が6回途中まで6安打無失点の好投を見せた。4-1で迎えた9回、2点差に迫られ、なおも無死一、三塁の場面で再登板。三振を奪った後に、右越えの二塁打を許して1点差とされた。だが、ここから粘って後続を断った。北原監督は「亀谷の執念ですね。期待以上にほおってくれた」とエースをたたえた。

 神戸国際大付は昨秋覇者でもあり、今春、今夏と甲子園に出場した強豪校。昨春は準決勝で3-6で敗れ悔しい思いをしていた。北原監督は「よう勝ちましたね。ここのところ(神戸国際大付)との対戦では勝ち切れていなかったので、苦戦というか劇的な勝利でした」と笑顔を見せた。

 ナインが北原監督と出来るだけ長く野球を続ける方法は、センバツに出場すること。県大会で負けるわけにはいかない。亀谷は「恩返しという気持ちで投げました。1試合でも多く、目標は県大会でも近畿大会でもなく、甲子園においてるので」と言い切った。ナインは練習中に「甲子園に行く」と口ずさんでいる。北原監督と3月まで目いっぱい試合が出来るように、聖地を目指す。【磯綾乃】