昨年夏の甲子園に出場した常葉大菊川の4番打者、根来龍真捕手(3年)が15日、国士舘大21世紀アジア学部に合格した。侍ジャパンも経験した高校生屈指の捕手が熟慮の末、選んだ進路先だ。東都大学リーグ2部から1部昇格を経て、4年後のプロ入りを目指す。

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吉報を受けた根来は「まずはチームの1部昇格が目標。それに向けて1年生から貢献できるよう頑張っていきたい」と抱負を語った。プロ志望届の提出も考えられたが、昨夏の18歳以下の野球アジア選手権大会終了直後に進学を決めた。「ジャパンのすごい選手たちと自分を比べ、今プロへ行っても活躍できないと感じた。大学で力をつけてプロに挑戦したいと思い、大学行きを選びました」。

東都1部の大学や東京6大学なども選択肢にあったが、最終的に2部の国士舘大を選んだ。「練習に参加して、(常葉大)菊川のように明るくて、先輩後輩の垣根が少ないチームだと感じた。そこが気に入りました」。高校の3学年上の増田来希捕手の在学も大きかった。「捕手を始めたとき、増田さんに多くのことを教わった。一緒にやってみたいと思いました」。

高校生活は挫折も味わった。「1年の時に腰のケガをした。ここへ勝負をしに来たのに、歯がゆくて悔しかった」。2年秋に正捕手となり、最後の夏に甲子園の土を踏んだ。苦労したからこそ、分かることがあった。「ベンチやスタンドにいた選手たちが励みになった。負けて弱音を吐いたら申し訳ないと思って頑張りました」。

捕手としては小柄だが、正確なスローイングや打力は、プロからも高評価を受ける。「そこをアピールしていきたい。やるからにはプロ入りを目標に、それを見失わないよう、ぶれずにやっていきたいです」と新たな道に進む。【河合萌彦】

◆根来龍真(ねごろ・りょうま)2000年(平12)4月15日、掛川市生まれ。掛川一小4年から桔梗が丘野球少年団で野球を始める。掛川東中時代は浜松シニアに所属。常葉大菊川では1年冬から捕手。昨夏、18歳以下日本代表入りし、アジア選手権出場。右投げ左打ち。170センチ、65キロ。家族は両親と弟。血液型O。