「スーパー1年生」は森木だけじゃない!

中学時代に軟式で最速140キロをマークした愛工大名電の新星左腕、田村俊介投手(1年)が星稜との練習試合に先発し、7回を4安打無失点、5奪三振で、相手のエース右腕・奥川恭伸投手(3年)に投げ勝った。

今春のセンバツに出場した山瀬慎之助捕手(3年)ら星稜レギュラー陣が並んだ打線と対戦。「今日の相手はすごい投手。投げ勝ってやろうと飛ばした」。130キロ台の直球にスライダーやカーブなど110~120キロ台の変化球を織り交ぜ、思い切り良く投げ込む投球で要所を締めた。星稜5番・山瀬からは135キロ直球と、キレのある変化球で2打席連続の見逃し三振を奪った。

田村は今春の入学直後、愛知県大会初戦の清林館戦で先発。3回を4奪三振で無失点に抑え、堂々のデビューを飾っている。自己最速は、5月の報徳学園(兵庫)との練習試合でマークした140キロで、この日の最速は137キロ。強豪相手に大仕事をやってのけ、夏に向けて大きな戦力となりそうだ。倉野光生監督(60)も「1年生ながらゲームを作れる。怖さ知らずで、2、3年生にも刺激を与えている。今日本一と言われる奥川君と投げ合ったのは良い経験になる」と成長を期待した。

軟式で150キロを記録した高知の右腕、森木大智投手(1年)とは中学時代から何度も対戦。田村も同様にスーパー中学生として注目を浴びてきたが「森木たちの方がすごい。自分はそのすごい投手に近づけられたら」と控えめ。ただ、夏の予選でも期待がかかるルーキーは「今日のような投球ができたら。自分の持っているものを出せればと思う」と手応えをつかんだ。

試合は愛工大名電が、2回1死一、二塁から8番杉山弘将内野手(3年)の中前適時打で先制。5回に1点を追加し、7回にも代わったばかりの星稜2番手、荻原吟哉投手(2年)から2点を奪って振り切った。