羽黒が8-0の7回コールドで米沢興譲館を下し、2年連続10度目の秋東北大会出場に向けて好スタートを切った。2年生バッテリーが活躍。公式戦初先発のサイド右腕・仁平大翔が6回1/3を2安打無失点と好投し、4番本田旭捕手も先制打で援護した。

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夏8強の羽黒が、夏2回戦に続いて米沢興譲館との対決を制した。今秋からベンチ入りした仁平が公式戦初先発。自己最長イニングを散発2安打に抑え、先発争いに名乗りを上げた。

立ち上がりは四球から2死三塁の窮地を背負ったが、4番を遊ゴロに仕留めて波に乗った。6回表1死一、二塁も本田捕手との連係で三振併殺で切り抜けた。地区予選は中継ぎと抑えで2試合に登板。7回1死で後続にマウンドを譲ったが、「完投したかったけれど先発は自信になりました」と胸を張った。

昨秋、内野手から本格的に投手転向。野手投げだっただけに、スムーズに横手投げに移行した。得意のスライダーに加えて直球の軌道も微妙に変化。本田は「打席に立って見ないと分かりませんが、とにかく面白い投手です」と「魔球解説」した。

打線は夏のレギュラー2人を含むベンチ入り4人が先発。1回1死二、三塁、夏から4番の本田が中前先制打を放ち、仁平を援護した。リード面でも「楽しんで投げろ」と鼓舞。「(回の)先頭を出さないように注意した。打者の反応に合わせて打たせて取れた」と女房役の務めを果たした。 大会2日目まで2回戦が初戦の3校すべてが敗れる中、不安も募った。渋谷瞬監督(37)は「低めに集めて丁寧に打たせて取れた。先発で試合を作ってくれたのは大きい」と収穫を口にした。今日24日の準々決勝は山形中央戦。本田は「県はセンバツに向けた第1段階。1戦集中で勝ち上がりたい」と意気込んだ。【佐々木雄高】