花咲徳栄(埼玉1位)が山梨学院(山梨1位)に敗れ、関東大会4強入りを逃した。来春センバツ出場が遠のいた。

1回戦では序盤だけで7得点した強力打線が、山梨学院バッテリーの低め主体の配球に苦戦した。岩井隆監督(49)は「打ち損じが多すぎる。2番、3番、4番が無安打じゃ勝てない」と厳しい表情。試合中の修正指示も好結果につながらず、力のない内野ゴロやフライが目立った。

プロ注目のスラッガー・井上朋也外野手(2年)も4打数無安打。内角球をヒットゾーンに運べずに「打てなかった。今のままじゃだめです」と声も小さかった。

守備でも、勝負どころでの2失策がともに失点に直結。現時点での課題が浮き彫りになったが、光明もある。岩井監督は「高森は良くなってきている。しっかり頑張っている」と、20日からの先発連投になりながらも、9回2失点にまとめた左腕・高森陽生投手(2年)をほめた。

今夏の甲子園・明石商(兵庫)戦ではリリーフ登板したものの、その前日のブルペン投球では制球が乱れに乱れていた。投げても投げても、ストライクゾーンにキレのあるボールが行かず。岩井監督からは「そんなので花咲のエースになれるわけがないだろっ!」と厳しい声が飛んでいた。

「あのころはまだ、いろいろと出来上がっていないものがあったので」と高森。新チームになってからは徹底した走り込みで下半身を固め、この日も直球は136キロをマーク。ひと冬越えれば140キロ台も夢ではないほど、わずか2カ月間で一気に成長した。

エースの孤軍奮闘になった、年内最後の公式戦。高森は「今日は打線も連打が出なかった。自分の練習もしながら、視野を広げて、もっとチームを引っ張っていけるようにならないといけない」とあらためて決意した。体力強化のため秋はベンチ外だった大型1年生たちも控えており、例年以上に鍛錬と競争の冬になりそうだ。【金子真仁】