背番号2はオレだ! 第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する仙台育英(宮城)が27日、多賀城市内の同校グラウンドで練習。捕手では、昨夏の甲子園で主力だった木村航大(1年)と、昨秋の明治神宮大会で本塁打を放った小野寺真輝(2年)の先発マスク争いが激化中だ。25日から4日間で予定していた福島・いわき合宿は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮して中止したが、選手選考も兼ねた実戦形式で切磋琢磨(せっさたくま)を続けている。

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木村と小野寺は兄弟のように寄り添う。練習中も守備でも打撃でも、お互いが気付いたことは共有する。火花を散らす演出を要求されて、にらみ合っても3秒と続かず笑顔に。連日続く試合形式の練習後、それぞれの弱点を克服する「課題練習」では、お互いでメニューを考えながら、協力して高め合っている。

木村は飯山(長野)との甲子園初戦からマスクをかぶり、史上2人目の先発1年生バッテリーとして話題となった。星稜(石川)との準々決勝では3回までに8失点する苦い経験もした。「課題は打撃とスローイング。この冬で投げ方を変えました」。手の小さかった小学生時代から、わしづかみのような握りで送球を続けてきた。「違和感はあったが、今までやってきたことを変えるのは怖かったし、入学直後は時間もなかった」。2本指をかける“通常”モードで素早く握る反復練習に時間を割き、「まだまだですが、かなり良くなってきた」と手応えは得ている。

小野寺は長打力を含めた攻撃力でアピールする。「外角が苦手だったのですが、ティー打撃でタイミングの取り方をつかめたので克服出来てきた」。チーム最速の149キロ左腕・笹倉世凪(1年)の外角直球をしっかり捉えて安打するなど、柵越えも含めて結果も出ている。「センバツで背番号2を付けるためには、木村を超えないといけない。でも間近な見本にもなっているし、尊敬出来る部分も多い。守備では送球の部分でも差をつけたい」。チームを鼓舞する声も、常にグラウンドにこだましている。

木村も「小野寺さんはライバルというか、貴重な存在。プレー以外でも素晴らしい。自分も先輩たちも引っ張っていく存在になりたいし、キャプテンとかも任されるように目指していきたい」。捕手2人の争いが、投手陣も支え、チーム力向上につながっている。【鎌田直秀】