進学校の新潟、休校中も“超”能動的自宅トレで成長

県高校夏季野球大会が18日に開幕する。中止となった全国高校野球新潟大会の代替となる独自大会で出場は73チーム。

優勝校は決まるが甲子園にはつながらない特別な夏だ。そんな大会に臨む有力校を連載。第1回は県内有数の進学校である新潟。新型コロナウイルスの影響で長期間の自宅待機を強いられたナインだったが、野球への前向きな姿勢は全く変わらなかった。

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“超ポジティブ主義”を掲げ、15、19年夏にベスト4に進出した新潟の伝統は、困難に見舞われた今年のチームにも生きていた。新型コロナウイルスによる休校は2月29日から4月5日、同15日から5月9日の2回に及んだが、その間の自宅待機中のトレーニングは“超”能動的だった。

1日200回の素振り、3キロ走をはじめ、自宅練習のメニューをグループLINEで相談して決定。さらに毎日3人の担当を決め、メニュー以外に行った練習を動画にアップし、その内容について意見交換した。「参考になる練習もあった。アイツがこれだけやっているならとモチベーションも上がった」。そう話した国公立大医学部志望の田中雅大捕手(3年=主将)は自宅待機期間中、1日10時間の勉強をノルマに課し、文武両道を実践した。

後藤桂太監督(53)はナインに「『何かのせいにせず、何かのおかげで成長できた』と言える生き方をしよう」と呼びかけた。新型コロナウイルスの影響で日常生活は狭められたが、選手たちの野球への集中度は緩まなかった。田中主将は「1人だとダレることが多いが1人でも突き詰めてやれた。大きく成長できた」と言う。普段の2時間弱の練習で集中してきたことが厳しい状況で生きた。

今年のチームは昨年の冬に選手が中心となり新組織を立ち上げ、戦力の強化に役立ててきた。選手を7部門に振り分け、チームを運営。主将の田中らまとめ役は総務部。企画開発部が練習メニューを考え、マネジメント部が対戦相手や自チームの戦力分析を行う。後藤監督は「これが10年先まで存続すればお前らの勝ちだな」と選手たちのアイデアの発展に期待を寄せる。1894年(明27)創部の新潟にとって今回の独自大会は、お家芸の粘りや超ポジティブ主義に代わる新たな伝統作りへの第1歩となる。【涌井幹雄】

○…自主トレ期間中、後藤監督はナインの近況をメールで把握していた。春季に続き、夏の大会も中止。「何もできぬまま、目標を失った。無気力になった」と話したが、ナインについては「彼らの方がしっかりしている。やるべきことをやっていた」と信頼。「(ナインは)やる気満々。大会があるだけで感謝している」と話した。