全国高校野球選手権の代替となる各都道府県高野連の独自大会が13日、各地で行われ、山梨の決勝は東海大甲府が5-4で甲子園交流試合に臨む山梨学院を下した。最近4年間、決勝で3度敗れていた宿敵にリベンジした。

埼玉では10日に甲子園交流試合の開幕戦を戦った花咲徳栄が登場。中2日で試合を行い、3年生だけをベンチ入りさせて快勝した。香川では尽誠学園が優勝した。

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東海大甲府が宿敵を倒した。同点で迎えた7回1死、4番渡部海夢外野手(3年)が右翼場外に勝ち越しソロ本塁打を放った。高校通算21号は「3年間で一番良かった。最高だった。自分のスイングがしっかりできた」という感触だった。貴重な1点を奪い、そのまま逃げ切った。「やってやったぞ!」と、喜びをあらわにした。

一打に全ての思いが詰まっていた。新型コロナウイルスでの自粛期間の3カ月間、誰よりもバットを振り続けた。小学校時代から「上半身には全く力を入れず、下半身だけを使って振る」というスタイルを貫く。1日最低1000スイングをこなして備えてきた。

先輩たちの雪辱を果たした。山梨学院には昨年、夏は4-5で敗れ、秋も準々決勝の最終回に大量12失点するなど6-17で大敗した。夏に限れば16年から4年間で3度決勝で当たり、3連敗していた。チームの悲願「打倒山梨学院」を遂げたが、同校が出場する甲子園交流試合では「頑張ってほしい」とも話した。

優勝しても甲子園はないが「気持ちは切り替えています」とプロ入りが次の目標だ。宝塚リトルリーグの先輩、ヤクルト山田哲人に憧れ、既にプロ志望届を提出済み。9月の合同練習会(トライアウト)を受け、夢に向かう。【三須佳夏】