ルートインBCリーグの埼玉への入団が1日に内定した山形中央のエース左腕・太田大和(3年)が、1年後のプロ入りを目指し、気持ちを新たに歩み出す。

太田は多彩な変化球と精度の高いコントロールを武器に、今夏の県独自大会では公立校唯一の4強入りに貢献。プロ志望届提出後は9月に東京ドームで行われた高校生合同練習会にも参加した。カウント1-1から始まるシート打撃では、「打者に向かっていく気持ち、冷静に投げきるところを見せられた」と自己最速となる139キロをマーク。打者6人を無安打2奪三振に抑えてアピールした。

ドラフト会議では18年楽天5位佐藤智輝投手(20)、19年ソフトバンク育成7位村上舜投手(19)に続く同校から3年連続のプロ誕生を期待されたが指名漏れとなる。太田は「1年でも早くこの悔しさを晴らしたい」と大学進学ではなく、入団1年目からプロ入りが可能な独立リーグを志望した。現在は、チーム合流直後から存在感を出せるよう、後輩の練習に参加し、実戦を積んでいる。

入学直後から太田の将来性を感じていた庄司秀幸監督(44)は「来年19歳の年で、体もできてくる。自分の投球を見失わずに、球速を含めた球の質を上げてほしい」と期待する。来秋のドラフト会議に向け、太田は「やり残したことがないように1日1日を大事にして、その日(ドラフト)を迎えたい」。夢に向かって、挑戦が始まる。【相沢孔志】

◆太田大和(おおた・やまと)2002年(平14)4月10日生まれ、山形市出身。鈴川小4年時に野球を始める。山形四中では軟式野球部。山形中央では1年秋からベンチ入り。2年夏は県準優勝、同秋は県4強。今夏の県独自大会は4強。左投げ左打ち。179センチ、77キロ。家族は母、姉、妹。