春の新潟県大会8強の北越は山田直輝投手(3年)が最後の夏に向け、一気に調子を上げてきた。

最速138キロの直球と斜めに大きく曲がるスライダーを武器に三振の山を築く。左肘負傷から復帰した春は力を出し切れなかったが、花巻東(岩手)など全国の強豪校との練習試合を経て、投球に「らしさ」が戻ってきた。夏県初制覇を目指す戦いは10日の2回戦、村上桜ケ丘戦から始まる。エース左腕は躍動感あふれるフォームで相手をねじ伏せる。

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山田がピッチを上げてきた。キャッチボールでも捕手のミットに収まる音は力強い。直球の軌道から鋭く曲がるスライダーを駆使する左腕は「調子は上向き。いい投球で投手陣、チームを引っ張りたい」とエースの自覚を示す。

春は準々決勝で延長10回タイブレークの末、中越に7-8で敗れた。それ以降、星稜(石川)や上田西(長野)などと練習試合を重ねた。18日にはプロ注目の佐々木麟太郎内野手(3年)擁する花巻東と対戦。佐々木との対決は左犠飛で安打は許さなかった。「全国の強打者の残像は残っているし、経験を生かしている」とさまざまな場面を想定し、投球練習に取り組む。

左肘を痛めたのは昨秋の4回戦、高田北城戦(7ー4)。2番手で登板し5回1/3を3安打無失点、9奪三振と好救援も、9回途中に左肘を押さえて降板。肘関節内側側副靱帯(じんたい)損傷だった。

ノースロー調整となった3カ月は下半身と体幹を鍛え直し、指先の持久力アップにも着手した。重さ3キロのメディシンボールを指でつまんだり、両手、左手の中指と人さし指だけで鉄棒にぶら下がったりし強化。「指のかかりが良くなって肘への負担が減った。(ボールの)回転も良くなった」と手応えをつかんだ。

幼少期はレスリングに取り組み、巻北小5年から2年間はラグビーに打ち込んだ。「足腰は鍛えられたし、周りを見る力がついた。今につながっています」。1年秋の県制覇を経験するエースは「ウチらしい粘り強い野球で頂点をとる」と夏初優勝を誓った。【小林忠】

◆山田直輝(やまだ・なおき)2006年(平18)1月27日生まれ、新潟市西蒲区出身。幼少期はレスリングに励む。巻北小1年で野球を始めるが、5、6年時はラグビーに打ち込む。巻西中で野球を再開し、北越では1年秋に県大会優勝を経験。175センチ、85キロ。左投げ左打ち。

○…昨年9月に両翼95メートル、中堅118メートルの専用球場が完成した。1度に6カ所で打撃練習が可能なバッティングケージや屋根付きブルペンも完備する。これまではサッカー部やラグビー部などと校内のグランドを共用する手狭なスペースで練習をしていた。小島清監督(48)は「最高の設備で、より実戦に近い練習を行えるようになった」と話す。