昨夏甲子園出場の浜松開誠館が2人の投手リレーでノーヒットノーランを達成し、静岡商を1-0で下した。先発の塚田暖琉投手(2年)が6回を無安打。7回から後を受けたエース松井隆聖投手(3年)も安打を許さず、3年連続の4強に導いた。静岡は日大三島を6-3の逆転で破り、2年ぶりの4強入り。加藤学園と東海大静岡翔洋も勝利し、ベスト4に駒を進めた。準決勝は来月3日に草薙球場で行われる。

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背番号「11」の塚田がマウンドで輝いた。公式戦初先発で自己最長の6回を無安打投球。最速142キロに迫る141キロの直球を軸に、許した走者は6回の1四球のみ。初回先頭からの5者連続を含む8三振を奪い「始めから飛ばしていった」と0を並べた。

3月下旬に風邪で体調を崩し、約1週間ほど戦列を離れた。食事もとれず体重は6キロ減。十分な練習を積めなかった中での快投に「体のキレはまだ戻ってないが、今日の投球は自信になった」とうなずいた。前日27日浜松商戦(6○0)では「3番一塁」で出場し、7回にソロ本塁打。「投打のどっちも楽しい。今後も両方やっていきたい」と目を輝かせた。

7回から登板した左腕エース松井は、3イニングをノーヒットでピシャリ。継投でのノーヒットノーランを完遂させ、初回に内野ゴロの間につかんだ虎の子の1点を守り切った。後輩の好投には「堂々と投げていた。投手陣全員の刺激になった」と目を細めた。

2年ぶりの東海大会出場に王手をかけた。来月3日の準決勝は静岡高と対戦。塚田は「夏に向けて少しでも多く投げ、エースを楽にさせたい」と力を込めた。【山口昌久】