神村学園・早瀬朔(2年)の投じた130球目は金属音の後、右翼手のグラブに吸い込まれた。9回5安打1失点。2年連続のベスト8入りの立役者になった2年生右腕は「自分が抑えたというより野手の皆さんが頑張ってくれたので」と謙遜しつつ「ベスト8というよりは日本一を目指しているので」と次だけを見た。
今春センバツでは大阪桐蔭戦で打者3人に投げたのみ。その試合後に小田大介監督(41)に言われた。「大人の高校生になれ」。スキのない統率ぶり。「子どもらしい高校生じゃなく、と思うようになりました」。できることから。ごみ拾いに地域でのあいさつ。技術の練習とともに、心の充実にも励んだ上で夏の甲子園に戻ってきた。
背番号10として、エースの今村拓未投手(3年)を休ませるという大きな役目を果たした。「次は今村さんがやってくれると思います」と笑いつつ、制球安定の右腕がここで経験を積んだのも大きい。「自分もまた投げる時はもっと安定できるように」。必死に振る右腕の袖には、学校のある「いちき串木野市」と大きく刺しゅうされている。【金子真仁】
▽神村学園・小田監督(早瀬が1失点完投)「(岡山学芸館の)タイミングが合っていなかったし、要所でいいところに投げ(途中で)代えるところがなかった。来年エースナンバーを背負って頑張ってもらいたい。次につながる内容だった」

