14年ぶりの甲子園は譲れない。東東京大会では第2シードの帝京が初戦を迎えた。3回戦で新宿と対戦し、12-0で5回コールド勝ちを収めた。互いに2回まで無安打無得点と静かな立ち上がりだったが、3回に相手投手の暴投で1点を先制し、さらに4番の梅景大地内野手(3年)が左翼席へ3ランを放った。頼れる主将の1発で流れを引き寄せ、大量得点で快勝した。

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4番の一振りが、勝負の流れを決めた。3回に1点を先制し、なお1死一、三塁。梅景はカウント2-0から浮いてきたチェンジアップを捉えた。米大リーグのMVP経験者であるドジャース・ベッツを参考に、タイミングや間合いの取り方を研究。その成果を発揮し、甘い球を逃さず左翼席に放り込んだ。

初回の先制機は三振だった。「前の打席ではチャンスで打てなかったので、次は絶対に打ってやろうと思って打席に入りました。ランナーかえすことが自分の役目」と責任を果たした。金田優哉監督(40)からも「キャプテンが一振りで流れを変えてくれた。すごく価値のあるホームランだ」とたたえられた。

春夏合わせて甲子園出場は26度を数え、全国制覇は3度を誇る名門。しかし近年は甲子園出場をあと1歩のところで逃すことが多く、11年夏を最後に遠ざかる。昨夏の東東京決勝では関東第一に涙をのんだ。あれから1年。「今年こそは」という強い気持ちを込め、チームスローガンに過去を乗り越える意味を込め「超越」と掲げた。

梅景は、名門復活を示す思いが人一倍強い。「13年間甲子園に出ていませんが、歴史を変えるのは自分たちの思いでこの1年練習してきました。今年は甲子園に出る。夢じゃなくて目標です」と言い切った。第2シードから頂点へ。OBたちが大事にしてきた「帝京魂」を受け継ぎ、「自分に打ち勝つ」と力を込める。曇天模様をかき消すように、主将の視界にはくっきりと道筋が見えている。【平山連】

◆梅景大地(うめかげ・だいち)2008年(平20)3月3日生まれ、大阪・四條畷市出身。四條畷ブラザーズ、生駒ボーイズを経て、帝京では1年秋からベンチ入り。好きな選手は宗山塁(楽天)、好きなタレントは「面白いし、自分を持っている」を理由にOBの杉谷拳士さん。好きな食べ物は「お母さんのご飯」。167センチ、75キロ。右投げ右打ち。

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