埼玉では今夏から女性ノッカーが認められ、県内初の女性ノッカーが誕生する。8日から始まる埼玉大会の開幕戦で、飯能(埼玉)の女子部員・花岡咲愛投手(2年)がシートノックでノッカーを務めることが分かった。1学年上には兄・花岡晴翔内野手(3年)が出場予定。埼玉大会の開幕試合で、兄妹が同じグラウンドに立つ特別な瞬間が実現する。
昨秋からノッカーの練習を重ねてきた咲愛。甲原史朗監督(40)から開幕戦での大役を告げられたのは6月中旬だった。
普段は寡黙な兄だが、努力を続ける妹の姿を誰よりも近くで見てきた。「男子しかいない中でやり抜くのはすごいと思います」。妹もまた、兄の存在を支えにしてきた。「『晴翔の妹』として知ってもらっていたので、チームにも入りやすかったです」。
兄妹で公式戦に同時出場することはできない。それでも春合宿では、咲愛が投手、晴翔が捕手を務める「兄妹バッテリー」が実現。そして今度は、公式戦前のシートノックで兄妹共演を果たす。
「自分を受け入れてくれたチームのみんなへの感謝と、『頑張ってください』という思いを込めて、ためになるノックを打ちたい」と気合は十分だ。
飯能初の女子部員を受け入れた監督は、「全国の野球少女たちの励みになればいいと思います。女子選手が高校野球で活躍できる場が少しずつ広がっていくきっかけになればうれしいです」と期待を寄せた。
飯能は5年前の秋には連合チームとして大会に出場。今春は10年ぶりに県大会出場を果たすなど着実に力をつけてきた。「地域に愛されるチームで甲子園を目指す」という監督の思いに引かれ集まった52人の部員とともに、兄妹が立つ開幕戦のグラウンドが、新たな一歩を刻む舞台となる。【会田京叶】

