76年夏の甲子園に出場した日体大荏原(東東京)のエース小林壱真投手(3年)が、公式戦初本塁打に公式戦初完投と初物づくしの活躍でチームを3回戦へ導いた。投手としては9回114球を投げ抜き、打者としては同点の2ラン。投打で存在感を示し、12-3の勝利を呼び込んだ。
球場の空気を変えたのは、エースのバットだった。2点を追う2回に1死二塁から小林が左翼席へ大きな放物線を描く公式戦初アーチを放ち、試合を振り出しに戻した。「ホームランが出て気持ちが楽になって投げられました」と、この1発で試合の流れを引き寄せる。3回には相手失策で勝ち越しに成功。その後も打線が着実に加点し、主導権を握り続けた。
マウンドでは、立ち上がりこそ2点を失ったが、尻上がりに本来の投球を取り戻した。もともとサイドスロー気味のフォームだが、左打者に球筋を見極められやすいことからさらに腕の位置を下げる投げ方を導入。「7月に入ってから試し始めました」と明かした新たな試みも機能した。さらに、足を高く上げてタイミングを取る打者にはクイック気味で投げ込み、詰まらせる場面を演出。相手打者の特徴を見極めた投球術で9回を投げ抜き、公式戦初完投を飾った。
小林は「緊張していたけど、勝つことができてよかった」と安堵(あんど)の表情。それでも「球はあまり良くなかったから、これから調子を上げていきたい」と口にした。本橋慶彦監督(45)は「今日の1勝は自信になると思う。先を見ずに、自分たちの野球を徹底したい」と気を引き締めた。【栗林真菜】

